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私の 辛かった気持ちもわかってよー

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7-2

 2日の日、仲間たちとお昼に会う約束にしていて、近くの公園で待ち合わせをしていた。集まって、歩いてファミレスに行く予定。別に、集まる理由も無かったのだけど、特に私は、普段、会えないので集まろうということになっていたのだ。

 私は、昨日と同じグレーのツィードのミニスカート、亜里沙はサイドプリーツのブラウンのミニスカートでキラちゃんはやっぱりミニ丈の赤いチェック柄のワンピースでスカート部分がプリーツになっているものでやってきた。私の脚だけ陽焼けで褐色。

「キラちゃん いつものことだけど、可愛いわね そのお洋服も」と、私は、歯が浮くような言葉だったのだけど、本当なのだ。髪の毛も肩より少し長いめで、ふわっと髪の毛が多くて、少し天然なのかもしれないが、裾に向かってカールしているのだ。もしかすると、自分でカールをかけているのかな。そして、耳の両脇を小さなリボンで結んでいた。それに、ウェストもすごく細くて、女の私から見ても可愛いんだから、その場の男達の眼も奪っているに違いない。

 歩いていく時は、何故か男3人と女3人になって、お店に着いて、個室が空くのをしばらく待って、中は長方形のテーブルだったんだけど、キラちゃんはわざと白木屋君の手を取って、縁の短い方に陣取っていた。相変わらず、キラちゃんは白木屋君のことが好きで仕方ないみたいなのだ。

「山葵 相変わらず 練習に明け暮れなのか?」と、白木屋君が聞いてきたけど、まだ、二人は手を結んだまま・・。

「うん ペァの相棒が変わったからね いち からみたいなのよっ」

「えっ そうなのか? あの先輩とは 解消なのか?」と、山水が驚いたみたいに言うもんだからー

「なんだー 山水も知らなかったのか?」

「あっ ごめん 言いそびれた 璃々香先輩はもとの相棒とやるってー 今度の総体予選で最後になるからなんだって でも、今度の子は同じ1年なんだけど、すごく上手になったのよ ウチ等もダブルスでは上位を狙っているの」

「ふぅーん あの先輩とはライバルになるんかぁー」

「山水 そんなー ライバルって あの人に勝てる訳ないやんかー」

「でも 山葵は 神業の子なんやろー」

「なんでーぇ ウチかて 普通の女の子やわー」と、山水の背中を叩いたら

「山葵 あんた等 仲ええなぁー 白木屋君とこには負けるけどな」と、亜里沙は二人が手を結んだままなのが気になるのだろう。

「亜里沙とこは どうなのー 仲ええんやろー?」

「ウチ等は まぁ 普通やなー」と、新藤友則君と顔を見合わせて

「ほんでもなー 前 鴨川を散歩してる時、手を繋いでくれたんやー」と、亜里沙は恥ずかしくなったのか下を向いていた。

「なんやねー お前等 小学生か?」と、白木屋君が冷やかしていたが・・・。キラちゃんもその時、顔を紅くして下を向いていた。

 その時、私の鈍感な彼氏は知らんぷりだったのだが、私は、白木屋君達の仲はどこまでなんだろうかと、想像してしまっていた。そういえば、ウチ等だって、手を繋ぐ程度やんかー。山水は、もっと・・・キスとか期待してるんだろうか そんなに親密になる程 逢おてへんしー 私は・・・と、勝手な想いをしていた。

 家に帰ると、桔梗がお台所でカレーを仕込んでいた。ピッタリとしたショートパンツから太目になった白い太腿を出して、エプロン姿で。

「いい 匂いがすると思ったら・・ 桔梗なの 表までいい匂い」

「この子ったら 朝から やってるのよ」と、お母さんも側で見ていたみたい。お父さんは、リビングの方でチビチビと冷や酒を飲んでいた。寂しそうなので、私は、簡単におつまみを作って、持っいってあげようと・・・イカの生干しを細切りにして、お豆腐とキュウリで白和えにして、ごま油と胡麻塩を少しかけて、あと、ちりめん山椒に鰹節を加えて、味を調えたものを・・。

「おぉ すまんな 山葵 波香が真昼間からあんまり飲むなって 気分概してツマミも出してくれんのやー 桔梗は、そういうとこ まだなー その点、山葵は気が利くのー」

「お母さんは お父さんの身体心配してるんよ お父さんはウチ等のために一生懸命仕事してくれてるのにねぇー ウチは・・早く 身体壊せって思ってるんやけどー そしたら、ウチと健也さんが、お客様の前に立って エヘッ でも、そのかわり、夜はちゃんと桔梗のカレー食べてあげてよー お酒 控え目にして」

「わかった 山葵 この白和え うまい」と、初めて、褒めてくれた。だから、何となく、TVを見ながら夕食までお父さんに付き合っちゃった。だけど、あの人はカレーを何口か食べたら、お風呂に行ってしまったのだ。

 だから、私とお母さんで「すんごーく おいしい!」と、桔梗のご機嫌を取っていた。
 
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