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イベリス

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第百六話 夏休みが終わってその十一

「お洒落の趣味も変わるしね」
「それはそうね」
「刺青は相当なことしないと消せないから」
「入れないのに」
「元プロ野球選手が番長とか言われていい気になって」
 高校時代からスターで名球会にも入ったスラッガーである。
「刺青入れたけれどね」
「ああ、あの人ね」 
 ハンガリーの娘もそれでわかった。
「覚醒剤でも逮捕されたし」
「ああはなりたくないだから」
「それでなのね」
「もうね」
 絶対にというのだ。
「私はね」
「刺青は入れないのね」
「そのつもりよ」
「そうなのね」
「何があっても」
 それこそというのだ。
「入れるつもりはないわ」
「まあ咲っちがそう言うならね」
「髪の毛染める位はするかもね」
 咲は笑ってこうも言った。
「金髪とか銀髪とかね」
「そっちになのね」
「髪の毛かなり傷むらしいけれど」
 それでもというのだ。
「それ位はいいわよね」
「金髪ね」
「それはあるかもね」
「そういうの興味あるの」
「ふと思う時があるわ」
 髪の毛を染めようと、というのだ。
「たまにね」
「そうなのね」
「基本黒が一番だと思ってるけれど」
「咲っちは髪の毛は黒がいいかもね」
「似合ってる?」
「かなりね」
 咲に笑顔で話した。
「さらさらして光沢もあって」
「それでなのね」
「似合ってるわ」
 そうだというのだ。
「かなりね」
「そうなの」
「ええ、だからね」
「染めることはなの」
「私としてはね」
 どうにもというのだ。
「お勧め出来ないわ」
「そうなのね」
「自分が一番似合うね」
 そうしたというのだ。
「ファッションで」
「それでまともな」
「そうしたものがね」
「一番なのね」
「だからよ」
 それでというのだ。
「咲っちは髪の毛はね」
「黒ね」
「それがね」 
 何といってもというのだ。
「いいと思うわ」
「そうなのね、じゃあ」
「黒のままでいく?」
「考えてみるわ」
 ハンガリーの娘に真面目な顔で答えた。
「ただ刺青はね」
「入れないのね」
「それはね」
 絶対にというのだ。
「守ってくわ」
「真面目なファッションでいくのね」
「これからもね」
「そうなのね」
「ええ、日本のそうしたファッションでね」 
 それでというのだ。
「やっていくわ」
「咲っちがそう言うなら」
「それでいいのね」
「ええ、やっていったらいいわ」
 ハンガリーの娘が言うとだった。
 他の娘達も頷いてだ、咲に言った。
「まあそうね」
「それでいいんじゃない?」
「咲っちは咲っち」
「おかしいものでないとね」
「咲っちの好きなファッションでいけばいいわ」
「それじゃあね」 
 咲も頷いた、二学期がはじまるとこうした話を学校でした。そうして二学期での生活をはじめるのだった。


第百六話   完


                    2023・4・8 
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