ドリトル先生と桜島
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第七幕その十一
「元は軍服だね」
「ブーツだってそうで」
「トレンチコートにフロックコートも」
「全部ね」
「日本の学校の先生でね」
このお仕事でというのです。
「詰襟とかセーラー服は元軍服とか言って」
「嫌ってたんだ」
「日本の学校の先生って軍隊嫌いな人いるから」
「そうした人で」
「そうだったんだ、けれどそれを言ったら」
それこそというのです。
「ブレザーも駄目でランドセルもで」
「ブーツもで」
「トレンチコートやフロックコートも」
「全部だね」
「駄目になるよ」
こう言うのでした。
「もうね」
「そうなんだよね」
「もうそれこそ」
「軍事、軍隊を否定したらね」
「文化のかなりの部分も否定するよ」
「そうなってしまうよ」
「お侍さんの髷だってね」
これもというのです。
「兜を被る時に蒸れない様にね」
「ああした髪型にしたんだったね」
「結ったり剃って」
「そうしたね」
「それは遊牧民族の辮髪もだけれどね」
この髪型もというのです。
「独特の文化だけれど」
「どちらもね」
「一見すると奇妙だけれど」
「ちゃんと理由があるのよね」
「そうだよ、その髪型にもね」
こう皆にお話するのでした。
「その先生は詰襟が駄目ならブレザーもランドセルも否定してね」
「フロックコートもだね」
「ブーツもだし」
「あとベレー帽もかな」
「ピケ帽もだけれど」
「何でも駄目だよ、しかもこうした先生の常で」
それでというのです。
「否定する軍隊は自衛隊でね」
「そうそう、それでね」
「昔あったソ連軍はよくて」
「人民の軍隊とか平和勢力とか言って」
「それでいいって言って」
「北朝鮮の軍隊はいいからね」
そうした考えだからだというのです。
「筋が通らないよ」
「全くだね」
「もうその時点でね」
「自衛隊は駄目、詰襟は駄目で」
「北朝鮮の軍隊はいいのなら」
「全くおかしな話だよ、僕は平和主義者のつもりだけれど」
それでもと言う先生でした。
「決してね」
「軍隊も戦争も否定しないね」
「そちらから生まれた文化も」
「そうよね」
「そうだよ、軍隊から文化や科学が発展することも事実だから」
そうした一面があるというのです。
「平和が第一にしても」
「そうしたものは否定しない」
「公平に学ぶ」
「学問の対象とするね」
「それが先生よね」
「だから今こうして鉄砲も学んでるし」
この武器のこともというのです。
「そして次はね」
「ロケットだね」
「宇宙に飛ぶ」
「そちらのことも学ぶわね」
「そうするよ」
笑顔でこう言ってでした。
先生は鉄砲館を皆と一緒に観て回りました、そのうえでその歴史と文化をしっかりと学ぶのでした。
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