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星河の覇皇

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第八十四部第三章 円明園の会議その八

「連合というね」
「この宇宙の中の、ですね」
「銀河系の中の」
「無数の銀河がある中の一つでのことですね」
「そう考えると小さいですね」
「宇宙の大きさは途方もないわ」
 伊東はこうも言った。
「一体どれだけの大きさか」
「具体的な数字が出ていますが」
「その数字がまた途方もないですね」
「とんでもない大きさで」
「今の我々では」
「もうその小ささを実感するしかないわ」
 人類のそれをというのだ。
「本当にね」
「銀河系もそうですね」
「この広大と言われている場所にしても」
「それこそ何千億の星系が存在しますが」
「それでもですね」
「この銀河の中ではですね」
「小さいですね」
「所詮は」
「そうよ、宇宙にはこうした銀河系が数えきれないまでに存在しているわ」
 伊東はこの現実も話した。
「何千億の星系を持っている銀河がね」
「連合はその銀河の殆どを領土にしています」
「これはかつては想像も出来ないものでした」
「少なくとも西暦の頃は」
「想像も出来ないことでした」
「太陽系の他の惑星への進出すらです」
「遅々として進みませんでした」
 スタッフ達はその西暦の宇宙進出について話した。
「アポロ十一号が月に辿り着きましたが」
「そこからは中々進まず」
「二十一世紀に入ってからもでした」
「IT技術は発展していきましたが」
「それでもです」
「宇宙関連の技術は中々進歩せず」
「停滞」していましたね」
「それが一気に進み」
 そうしてとだ、伊東は話した。
「そうしてね」
「太陽系の全ての星に進出し」
「瞬く間に太陽系の外にも出て」
「銀河系にも進出し」
「今に至りますね」
「そうなったわ、今の連合は銀河系の殆どを領土にしたわ」
 その中に三百以上の国が存在しているのだ。
「そしてその領土は広大と言われていても」
「それでもですね」
「その実は、ですね」
「宇宙の中では小さいですね」
「連合にしても」
「この国も」
「そうよ、けれどその小さな国の中で」
 連合、この国の中でというのだ。
「私達は必死に生きてね」
「そのうえで、ですね」
「国益を手に入れようと必死ですね」
「そうしていますね」
「今も」
「そうよ、あくせくしているといえば」
 その達観を笑みにも含ませてだった、伊東は話した。
「そうなるわね」
「全く以てそうですね」
「我々はそうして生きていますね」
「そう考えると滑稽ですね」
「そう言っていいまでですね」
「そうよ、しかしその滑稽と思われる中でも」
 そう考えられる様な状況でもというのだ。 
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