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星河の覇皇

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第八十四部第三章 円明園の会議その四

「それこそね」
「はい、それはです」
「誰も考えていません」
「これはあくまで連合のあるべき姿を考えてのことです」
「各国政府の立場から」
「連合は国家連合よ」
 三百以上の国家のそれだというのだ。
「その各国の権限は保証されるべきものである」
「憲法にも明記されていますし」
「建国以来の理念でもあります」
「連合は全ての市民の権利を尊重しています」
「そして全ての国家も」
「そう、三百以上の国家は」
 その全てはというのだ。
「何としてもね」
「その権限を守り」
「そうしてですね」
「それからですね」
「どうあるかですね」
「そうよ、これ以上中央政府の権限が拡大すると」
 そうなる場合についてもだ、伊東は話した。
「各国政府としてはですね」
「その権限が脅かされる」
「そうなりかねないので」
「だからこそですね」
「我々はここで力を合わせ」
「そうして中央政府に対しますね」
「そうよ、時が来たと言えば」
 まさにというのだ。
「そうなるわ」
「近頃中央政府は特にです」
「その権限を拡大させてです」
「それが止まる気配はありません」
「一向に」
「それならばですね」
「止める必要があるわ。私は中央政府の権限も必要と思うわ」
 伊東にしてもその考えはある、実際に中央政府創設に支持を表明したのも中央政府にそれだけの権限が必要と感じたからだ。
 だが、だ。その伊東もなのだ。
「けれど限度があるわ」
「左様ですね」
「これ以上の権限拡大となると」
「各国政府の権限を阻害します」
「そうなるので」
「だから私はここではね」
 この会議ではというのだ。
「各国政府、日本政府をね」
「そちらに向ける」
「そうされますね」
「ここで軸足を移し」
「その様にしますね」
「そうするわ、今回各国政府で集まる国々は」
 この北京星系にというのだ。
「もう最初からね」
「中央政府の今回の動きに反感を持っている」
「その権限拡大に」
「左様ですね」
「だからここで中央政府につくことはね」
 それはというのだ。
「ないわ、一番疑われている国は」
「我が国ですね」
「最近まで中央政府側でしたから」
「他国が疑いますね」
「そこで何故急にこちらに来たか」
「その様に思いますね」
「多くの政府関係者が」
 スタッフ達も口々に述べる。
「それは」
「左様ですね」
「そのことは」
「どうしてもですね」
「疑うわ、私でもそうした国は疑うわ」
 伊東は笑みを浮かべこうも言った。 
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