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私の 辛かった気持ちもわかってよー

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6-3

 あの試合が終わってからは、ダブルスは杉田みく美ちゃんと組むようになって、織部部長のペァを相手に練習するんだけど、璃々香先輩の時のように、あんまりしっくりこないのだ。みく美はバレーボールで鍛えたのか、シャンプしてのスマッシュもショットも威力があるんだけど、ストレート過ぎて、簡単に返されてしまうのだ。

 別に悪い所も無いし、私にもどうすればいいのかわからず、コーチも何にも指摘しないので、悶々としていたのだ。璃々香先輩にそれとなく相談しても

「山葵は今は私達のライバルなんだよ 山葵が引っ張って行くんだから、自分たちで何とかしなさいよ!」と、冷たく突っぱねられたのだ。

「山葵は特別なんだから 誰でも、自分のように出来ると思っていたら、大間違いよ  みく美にはみく美の良い所があるから、お互いの良い所を生かすのがペァよ それと、自分のことも考えなさいよ!」と、付け加えて言われたのだ。

 私は美湖にも、相談したんだけど

「みく美はね 丁寧にコーナーめがけて狙ってくるんだよ 正確なの だから、みく美と話合えば 開けてくるかもよ」と、言ってくれた。

 次の日からは、みく美と話合って、みく美が後衛の時は、私がミドルの位置からのボレーとか[参の型]を、私が後衛の時は、みく美にボレーの練習を、集中してやりだしたのだ。

 織部部長のペァに相手をしてもらっていたのだけど、徐々に私のイメージに近づいていたのだ。それに、みく美のサーブも威力を増すようになって、サービスエースも奪えるほどになっていった。

 練習が終わった後、みく美に付き合ってと言われていて、美湖も伴って、岡崎公園のテニスコートに来ていた。先輩たちに内緒で練習したいと言っていたのだ。

 みく美は最初はジャンピングスマッシュを、それもコーナーを狙って練習していたのだが、そのうち、ラリーを続けて行くうちにスライスショットを打つようになってきて、段々と回転が強烈になってきて、バウンドの後が低く左右にぶれるのだ。私も美湖も驚いて、みく美に駆け寄って

「なによ みく美 今のをー」

「ふふっ やっと ちゃんと打てるようになってきたわ 山葵と同じように ウチの必殺技 ウチな 山葵のお荷物にならんよーにと思うてなー それでも、学校では、自由にコートも使われへんやんかー それで、家に帰ってから、自分で練習してきたんやー」

「うん みく美 すごいよー ねぇ 今度 先輩たちに練習試合申し込もうよ もう 太刀打ち出来るような気がしてきた 後は、ウチ等でコンビネーションをうまく打ち合わせてさー 先輩たちを驚かそうヨ!」

「ウン ウチ まだまだやけど 山葵となら もっと 伸びると思う」

「あんた等 うらやましいネ お互いが・・・」

「別に 美湖を仲間はずれにしてるんちゃうヤン シングルでは競い合う仲間ヤン」と、私達 結束を強めていったのだ。だけど、璃々香先輩から「自分のことも考えなさいよ」って言われたことが引っかかっていた。 
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