【眼帯】の錬成師
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第一話
暗い、暗い。
何処を見回しても全てが闇の世界。
一点だけ光が漏れており、そこに手を伸ばす。
あともう少し、あともう少しで………。
「おぎゃー、おぎゃー。」
「南雲さん、産まれましたよ!」
「「ああ、この子が私(俺)達の赤ちゃん……」」
………今声を発したのは誰かな?僕じゃあないよね?
僕の名前は金木研、つい最近まで普通の大学生をしていて、とある事件に巻き込まれて死に掛けているところを救急車で嘉納病院まで運ばれて、僕の救命手術を執刀したその病院の院長(嘉納明博)頭の逝かれたマッドサイエンティストの手によって人ならざる者に人しか喰べられない怪人に改造され、そして最後は白い死神に殺された。
うん、記憶はしっかりとある………じゃないか!
何で僕は赤ん坊になっているんだよ!
これじゃあいっとき何も出来ないどころか、赤ちゃんプレイを強制されつづけ屈辱を受け続けるだけではないか!
来世があるなら幸せに暮らしたいとか願ったが、これなら記憶がない状態で転生させてくださいよ神様!
……………うん、取り敢えず落ち着こう……………。
一旦状況確認をしよう。
うっすらと目を開けて周りを見渡す。
まだ視覚がぼやけているが、皆笑顔で僕が産まれてきたことを我が事のように祝福している。
僕を産んだお母さんとお父さんも満面の笑みで僕を見てくる。
きっといい人達なんだろうな。
そう思いながら僕も新しいお母さんに自分が出来る限りの笑みを返す。
こうなっては仕方がない。なるようなれっていうやつかな。
もしかするとまたトーカちゃんやヒデ、みんなに会えるのかもしれない。
うん、そう考えると頑張れる気がしてきた。
死に際に聞こえた不思議な声は何だったにかわからずじまいだが、取り敢えず今世を満喫出来るように頑張って行こうと思う。
こうして僕の第2の人生が始まったのである。
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