イベリス
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第百六話 夏休みが終わってその五
「そうですよね」
「そうみたいだね」
「皆でお掃除をする」
「生徒がね」
「学校は奇麗になりますし」
これは業者が掃除をしてでもある。
「それに何かとです」
「団結とか手分けとかね」
「協調もですね」
「学べるから」
それでというのだ。
「いいっていうね」
「そうですよね」
「だからね」
「うちの学校でも」
「皆ね」
他国から来た生徒も含めてというのだ。
「ちゃんとね」
「皆でお掃除していますね」
「そうなんだよね」
「それで今もですけれど」
「二人で手分けしてお掃除して」
「はかどってるね」
一人で行うよりはというのだ。
「いい具合に」
「そうですよね」
「それじゃあね」
部長はさらに言った。
「早く終わらせて」
「それからですね」
「漫画読もうね」
「そうしましょう」
笑顔で話してだった。
咲は部長と手分けをしてそのうえで一緒に掃除をしていった、そしてその後で実際に漫画を読んでだった。
その後はクラスに行ってそこから始業式にも出た、その後でだった。
クラスでだ、咲は周りからこう言われた。
「咲っち変わってないわね」
「夏休みの後イメチェンの娘とかいるけれど」
「特に変わってないわね」
「別に」
「変わる様なことなかったしね」
咲はクラスメイト達に笑って返した。
「これといってね」
「いや、結構色々あったでしょ」
「部活とかアルバイトとか」
「遊んだりして」
「それでね」
「そうだったけれどね」
それでもというのだった。
「本当にこれといってね」
「変わることなかったの」
「私的にはね」
こうも言うのだった。
「そうだったわ」
「そうなのね」
「色々あってもなの」
「咲ッとしては変わらなかった」
「そういうこと?」
「というか皆も見たところ」
自分に言って来る彼女達も見て咲も言った。
「あまり、だけれど」
「そういえばそうね」
「夏休み色々あっても」
「そんなヤンキーになるとか優等生になるとか」
「そんなことはなかったわね」
「そんな急に変わるとか」
人がというのだ。
「そうはないわよね」
「まあそうね」
「言われてみればね」
「人が急に変わる様な」
「そんな劇的なことってそうはないわね」
「徐々にでしょ」
人が変わるのはとだ、咲も言った。
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