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博士の挑戦状

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第五十五話

                第五十五話  カーミラもまた
 カーミラも時間になり使い魔達に言った。
「ではね」
「これよりですね」
「大阪城に向かいますね」
「博士との決闘の場所に」
「そうされますね」
「そうするわ、ただね」 
 カーミラは微笑んで話した。
「ただ移動するのではね」
「面白くないですね」
「大阪城までそうするだけでは」
「左様ですね」
「蝙蝠や霧に変身するのもいいけれど」 
 吸血鬼はこうしたものに変身出来るのだ、その他には狼にも変身したりすることが出来るのである。
「ここはね」
「他の方法で行かれますか」
「この度は」
「そうされますか」
「そうするわ、魔法の力でね」
 それでというのだ。
「気球を出して」
「ああ、気球ですね」
「魔法でそれを動かす」
「そうされますね」
「そしてね」
 そのうえでというのだ。
「大阪城まで向かうわ」
「そうですか、気球ですか」
「思えば懐かしいですね」
「かつては文明の利器でしたが」
「それで持て囃されましたが」
「今も用いられているにしても」
「飛行機には後れを取っているわね」
 この乗りものよりはというのだ。
「そうね」
「左様ですね」
「どうしてもそうなっていますね」
「ですがこの度はですね」
「その気球を使って行かれますね」
「魔法の力で動かすから」
 その気球をというのだ。
「速く行けるしね」
「それで、ですね」
「この度はですね」
「気球を用いられ」
「大阪城に向かわれ」
「そしてね」
 そのうえでというのだ。
「決闘に赴くわよ」
「わかりました」
「それでは」 
 使い魔達も頷いた、そうして気球の用意をするのだった。


第五十五話   完


                  2023・4・21 
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