Ｘ　ーｔｈｅ　ａｎｏｔｈｅｒ　ｓｔｏｒｙー

「そうしたよ」
「そうなのね」
「けれどね」
　それでもというのだ。
「彼はね」
「知らないのね」
「封真は言えないんだ」
　彼はというのだ。
「どうしてもね」
「まあそれはね」
「言えないのもわかるね」
「うん、こうしたことはね」
「どうしても言えなくて」
「それでね」
「まだ言えなくて」
　それでというのだ。
「彼も知らないよ。他の天の龍もね」
「知らないのね」
「僕達は知っているけれどね」
「地の龍の人達は」
「庚と僕は知識としてでね」
　そちらで知っていてというのだ。
「他の人達はね」
「勘ね」
「彼と会った時に感じたよ」
「そうなのね」
「そしておそらくは彼が」　
　牙暁はやや俯いて話した。
「そうなるよ」
「そうでしょうね、けれどね」
「君はそ彼もだね」
「見守っていくわ」
「そうするんだね」
「彼も好きになったしね」
　笑顔でだ、北斗は言ったのだった。
「そうしていくね」
「好きになったんだ」
「人間としてね」
「それじゃあ」
「神威君もだよ。実際に出会えていたら」
　そうすればというのだった。
「告白していたかも」
「まさか」
「ううん、昴流ちゃんと星ちゃんが駄目なら」　
　その場合はというのだ。
「もうね」
「彼なんだ」
「昴流ちゃんと似ているからね」
　だからだというのだ。
「そうしていたわ、似ていてもね」
「また違う部分があるね」
「そこもまたいいから」
「それでなんだ」
「うん、一緒にいられたら」
　それが可能ならというのだ。
「その時はね」
「一緒にだね」
「私の方から告白してね」
　そしてというのだ。
「交際しているわ」
「君の方からだね」
「そうよ」
　牙暁ににこりと笑って話した。
「そう思ってる位だから」
「それでだね」
「神威君と封真君の戦いもね」
「観ていくんだね」
「そうするわ」
「二人の戦いは最後になるよ」
　この戦いのというのだ。
「そうなるよ」
「そうよね」
「それまでの戦いがあって」
　そうしてというのだ。