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新オズのリンキティンク

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第六幕その十

「桁外れのボリュームだよ」
「だぶるでそれだから」
「とりぷるになるとね」
「物凄いだろうね」
「あの」
 ナターシャがここで言いました。
「あちらで力士の方がです」
「うん、とりぷるだね」
「その晴明さんが言っておられた」
「丼三杯にね」
「カツ三枚ですね」
「物凄いね」
「あれを食べたら」 
 それこそというのです。
「お腹一杯ですね」
「そうなるね」
「そうですよね」
「僕達はおうどんとね」
 それにというのです。
「だぶるだけれど」
「私達は普通です」
 ナターシャ達五人はです。
「そうですが」
「きつねうどんもあるからね」
「かなりですね」
「うん、けれどね」
「力士さんはですね」
「うん、凄いよ」
 見ればです。
 着流しの着物を着て髷にした力士の人はそのとりぷるにです。
 大森のきつねうどんを物凄い勢いで食べています、ナターシはその力士さんを見てさらに言うのでした。
「力士さんは食べるのもお仕事ですから」
「あれだけ食べるね」
「そうですね」
「ううむ、あそこまで食べられるとな」 
 リンキティンク王も言います。
「羨ましいのう」
「王様としてはですか」
「わしも美味いものを腹一杯食いたい」
 こう言うのでした。
「是非な」
「だからですか」
「あそこまで食せたらな」
 それならというのです。
「実にじゃ」
「いいですか」
「うむ」
 そうだというのです。
「まことにな」
「そうですか」
「きつねうどんも美味くてじゃ」
 その麺を勢いよくすすりつつ言いました。
「カツ丼もな」
「美味しいですね」
「だからじゃ」
 それ故にというのです。
「あの様にな」
「お腹一杯ですね」
「食いたいわ」
「そうなんですね」
「ううむ、しかしわしは小柄でじゃ」
 大人としてそうでというのです。
「いつも遊んで身体を動かしておるが」
「力士さんみたいにですね」
「いつも激しい稽古をしてな」 
「そこまでしてお身体を動かしていないので」
「それでじゃ」
 その為にというのです。 
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