超地球救済戦記!断罪王Ω〈オメガ〉~戦争もやめねぇ!環境破壊もやめねぇ!バカで愚かな人類は身長170センチ以下の無職童貞ニートの俺が全員滅亡させる‼~
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第三百六十話 山の生活 その1
第三百六十話 山の生活 その1
無色主義。
それは何色にも染まらない自由な主義。
そして、この国に『無色主義』による革命を起こすために結成された組織『カラーレス』。
この物語はカオスと化した敗戦国、新日本に革命を起こすために戦う、若者たちの青春群像劇である。
俺たちカラーレスは、日本各地に存在するBEI軍基地の一つを破壊することに成功した。しかし、その戦いで出撃した15人の襲撃組のうち、8人が死亡。
生き残った7人は、逃走組が用意したワゴンに乗車して、炎の海に包まれるBEI軍基地から撤退する。
都内のアジトをケーサツに制圧されてしまった俺たちは、帰る場所を失う。
俺たちカラーレスは、人目が少なく、クマなどの危険生物が生息している山林地帯・アズマ山に、新拠点を作ることになった。
BEI軍基地の破壊により、俺たちカラーレスと、同盟を結んでいるカミカゼのメンバーたちは、この世界に居場所を失ってしまった。
アズマ山への移住が、俺たちにとって、プラスになるのか、マイナスになるのか、それを知る者は、まだいない。
ワゴンを降りた俺たちは、山林地帯をひたすら歩き続ける。
アズマ山はクマが出没するの有名な山で、地元の人でもめったに近づかない、危険領域である。
しかし、現在、指名手配状態にある俺たちにとって、危険領域であるアズマ山は、身を隠すには一番ベストな場所だった。
現在、カラーレスのメンバーは襲撃組7人、逃走組2人である。
先日、組織に加入した新メンバーたちは、皆、待機組であったため、ケーサツに逮捕。
今は留置所に収監されているはずだ。
しかし、BEI軍基地襲撃作戦の日、人員不足を考慮して、襲撃組のメンバーたちは皆、自分が殺したBEI軍兵から、銃などの武器を奪っていた。
これにより、組織の人数は少なくとも、銃火器の数に関しては、十分な余裕があった。
そして、同盟軍であるカミカゼのメンバーたちは、普段、集団デモを中心に活動している組織である。
BEI軍基地襲撃作戦の日、カミカゼのメンバー、約20人から死傷者は出なかったものの、カミカゼのメンバーたちにとって、アズマ山への移住は予想外だったらしく、山林地帯を歩いている最中、愚痴をこぼす者も少なくなかった。
山林地帯を歩いている最中に、カミカゼのメンバーの一人が、突然、泣きながら自分の意見を皆に、訴える。
「お、俺はこんなことになるとは、思っていなかったんだ!俺はただ、みんなと一緒にデモ活動ができれば、それでよかったんだ‼そ、それが、人殺しにされて、しかも指名手配までされて、家にも帰れず、こんな危ない山を登っている!お、俺はもう嫌だ!俺はこの山を下りる‼」
あのBEI軍基地襲撃作戦で生き残っていた、姫先ユイナが、怒りの声を上げる。
「私は同盟軍カミカゼのメンバーの今の発言に対して、発言者に『反省』を求めます‼」ユイナの言葉に、先の発言者が疑問の声を上げる。
「『反省』って、なんだよ!お前らだって、自分たちが置かれた状況がわかってるんだろ?どうしてデモを中心に活動していた俺たちが、人殺しになって、こんなクマだらけの山奥で生活しなくちゃいけないんだ‼俺は家に帰りたいんだ‼」
ユイナが、不適切な発言者の頬を殴る。
「こ、この女ァ!何すんだァ‼」
「再度通告します!今すぐ、みんなの前で自己『反省』しなさい‼」
「だ、誰がそんなことするもんか!俺は間違ったことは言ってねぇよ‼」
「では、あなたの帰る場所とは、いったいどこなのかしら?」
「そ、それは!」
「BEI軍基地を破壊した私たちは、国内と全世界から、指名手配されている、この山を下りて、あなたはいったいどこに逃げるつもりなの?居場所が欲しければ、戦いなさい!この国からBEI軍を追い出して、腐った新日本を無色主義によって浄化した先にしか、私たちの居場所はないのよ‼」
ユイナに糾弾された、不適切発言者の男は、自らの居場所が、勝目がほぼないBEI軍との戦いの先にしかないことに絶望し、パニック状態になる。
「ゔああああああああああああああああああああああああああああッ‼」
極度のパニック状態により、幼児退行した不適切発言者の男が、急に服を脱ぎ、全裸になる、そして親指を口にくわえて、土の上に横たわり、じたばたし始める。
ユイナが提案する。
「過度のストレスによる、幼児退行。私は、この裏切り者の『粛正』を『提案』します‼」カラーレス内で使われる専門用語『粛正』の二文字に不穏なものを感じ取った、カミカゼのメンバーたちがざわつき始める。
カラーレスのリーダー、倉都テツオがユイナに告げる。
「姫先ユイナの『提案』を俺は認める、皆はどうだ?」
カラーレスのメンバー、倉都テツオを除く、襲撃組と逃走組の8人は、皆、ユイナの提案に賛成の意を述べる。
「賛成多数で、不適切発言者への『粛正』を認める、やれ」
ユイナが、幼児退行状態の、不適切発言者に馬乗りになる。
ユイナは幼児退行状態の、不適切発言者の首を両手で絞めながら告げる。
「裏切り者は死ねばいいんだわ!死ね!死ね!死ね!死ねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇッ‼」
ユイナに首を絞められた不適切発言者が両手両足を振り回して、抵抗する。
しかし、ユイナは鬼の形相で、不適切発言者の首を絞める両手に思いっきり力をこめる。
「抵抗してんじゃねーわよ!この裏切り者がァ!アンタみたいな臆病者の居場所は天国がお似合いよ‼」
天国。
その二文字に、誘惑された不適切発言者が、突如、抵抗をやめる。
天国への憧れか、それとも絞首による意識の喪失か、不適切発言者が抵抗をやめた本当の理由を知るものはいない。
そう。
しばらくして、不適切発言者は死亡してしまった。
不適切発言と戦意喪失によって、『粛正』されてしまった、仲間の死に直面したカミカゼのメンバーたちは皆、戦慄していた。
自分たちが、異常な反政府組織と同盟を結んでしまったことに、絶望していた。
今回の不適切発言者の死は、カラーレスを裏切った者の、末路として、カミカゼのメンバーの心に大きな傷をつけた。
次回予告 山の生活 その2
※この物語はフィクションです、実在する人物及び団体には一切関係ありません。
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後書き
次回もお楽しみに
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