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ハッピークローバー

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第八十三話 映画館へその七

「ひいては欧州全体でな」
「通じるっていうのね」
「だから学ぶべきって言ってるよ」
「少なくとも日本語よりずっと簡単だって」
「海外組全員言うけれどな」
 越智は富美子に話した。
「日本語は鬼みたいに難しいってな」
「言うわね、本当に皆」
 富美子も否定せずに応えた。
「日本語は文法も独特で」
「文字は三つあってな」
「読み方も複雑で」
 音読みと訓読みがあってというのだ。
「無茶苦茶難しいって」
「それでそいつも言ってるんだよ」
「フランス語の方が簡単だって」
「ずっとな」
「そうなんでしょうね、やっぱり」
 富美子も否定せずに言った。
「日本語は」
「ああ、鬼みたいにな」
「難しいのね」
「それでそのフランス語でな」
「トレビアンって言う位なのね」
「ドラえもんズよかったらしいんだよ」
「そうなのね」
「ああ、それでな」
「ドラえもんもなのね」
「観るか?」
「ドラえもんは観ないと駄目でしょ」
 これが富美子の返事だった。
「まさに名作中の名作よ」
「あんなためになる作品もそうないよな」
「ええ、お姉ちゃんが変な思想家の本読むよりもね」
「ドラえもんか」
「いい漫画読んだ方がいいって言ってるわ」
「ドラえもんは確実にいい漫画だしな」
 越智は言い切った。
「だったらな」
「八条百貨店に行ってね」
「観ような」
「それでデートにするのね」
「ああ、そうしような」
「わかったわ、それでドラえもんはどの作品なの?」
 富美子はこのことを確認した。
「それで」
「リメイクされた宇宙開拓史だよ」
「あの作品なの」
「ああ、昨日百貨店行ったけれどな」
「その時に確かめたの」
「それで暫くな」 
 富美子に対して話した。
「ドラえもんはあの作品をな」
「上映してるのね」
「そうなんだよ」
「楽しみね」
 その作品であることを理解してだ、富美子は言った。
「実は私あのシリーズ大好きで」
「富ちゃんもか」
「だからあの作品は最高よ」
「面白くて人生の教訓も教えてくれる」
「わかりやすくね、それで私全作品観てきたけれど」
 その大長編ドラえもんのシリーズをというのだ、このシリーズもリメイク作品を入れて四十年以上続いている。
「宇宙開拓史もね」
「好きなんだな」
「大好きなんてものじゃなくて」
 それで済まずというのだ。
「超好きよ」
「伊達に全作品観てる訳じゃないか」
「サンタさんの映画も楽しみだけれど」
 フィンランドのホラー映画もというのだ。 
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