トネリコ占い
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第一章
トネリコ占い
スコットランドのエディンバラにおいて。
クリスマスにトネリコの木を焚火で焼いていた、そうしつつだ。
焼いている老婆マーガレット=オーネル穏やかな顔で丸い眼鏡をかけた白髪頭の彼女はにこにことしていた。
「クリスマスは色々と楽しいことがあるけれど」
「祖母ちゃんはいつもだな」
「この日は焚火をするわね」
「そしてトネリコの木を焼くね」
「そうするね」
「ツリーを飾って美味しいものを飲んで食べて」
そうしてとだ、マーガレットはさらに言った。
「讃美歌も歌ってだよ」
「そしてだよな」
「焚火もして」
「そこでトネリコの木も焼いて」
「どうするか」
「占うんだよ」
焼きながらにこにことして話した。
「この辺りの娘達も読んでね」
「それでだけれどさ」
家には息子夫婦がいてだった、小さな男の子の孫が二人いた。上の子はジェームスといい下の子はリチャードという、二人共金髪で青い目でふっくらとした頬を持っている。その中からまずはジェームスが言った。
「この辺りのお姉ちゃん達をまた呼んで」
「うちにね」
「占うんだね」
「そうするよ」
「果たして誰が一番早く結婚するか」
「それを占うよ」
こう上の孫に話した。
「今からね」
「それじゃあ」
「来てもらおうね」
エディンバラで自分達が住んでいる家の近所の娘達を呼んでだった。
マーガレットは彼女達ににこにことして話した。
「じゃあいいね」
「今年は私達がなのね」
「占いをするのね」
「一体誰が一番早く結婚するか」
「それを今から」
「さあさあ燃えさしをそれぞれ取るんだよ」
焚火の中で燃えているトネリコの枝達を指差して言った。
「一つずつね」
「そしてよね」
「最初で熱で弾けた枝を持っている人が最初に結婚する」
「一番早くね」
「そうなるよ、さあ誰が最初に結婚するか」
それをというのだ。
「今から占うよ」
「わかったわ、それじゃあね」
「今から枝をいただくわね」
「そうさせてもらうわね」
「そうするんだよ」
老婆は娘達に優しい笑顔で話した、そうしてだった。
実際に一本ずつ手に取って、そうして暫く枝を見ているとそのうちの一本、栗色の長い毛を横で巻いて垂らしている茶色の垂れ目が印象的な優しい顔立ちに大きな胸を持つ娘、大学生のローズ=ランバートが持っているものがだった。
弾けた、マーガレットはそれを見て言った。
「おやおや、ローズちゃんがね」
「私がなの」
「そうだよ、この中で最初にね」
「結婚するの」
「そうなるよ」
「私今相手の人いないけれど」
ローズは笑って言った。
「そうなるのかしら」
「なるよ、私が占ってね」
毎年クリスマスにとだ、マーガレットは笑って話した。
「外れたことはないから」
「そうなの」
「魔女じゃないけれど」
それでもというのだ。
「この占いはね」
「外れたことがないの」
「だからね」
それでというのだ。
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