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星河の覇皇

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第八十四部第二章 交渉の用意その二十五

「しかしボルマンになるとな」
「ヒトラーに取り入った」
「用いることは難しい」
「ああした人物は」
「そうだ、ただ取り入るだけでだ」
「その能力は大したことがなく」
「利を貪るのみだ」
 そうした人物だからだというのだ。
「少なくとも権力の座には就けない」
「そうされますか」
「だが世の中はだ」
 ギルフォードはさらに言った。
「ボルマンより遥かに下劣で醜い輩がいる」
「そうした輩が癌ですか」
「そうだ、癌はだ」
 まさにというのだ。
「取り除かなくてはな」
「ならないですね」
「その通りだ、それでだ」
「取り除いていく」
「エウロパのあらゆる部署で」
「そうする、一千億の者が一つになり」
 エウロパ全ての者がというのだ。
「そこからだ」
「連合に対することが出来る、いえ」
「そうなれるだ」
「スタートラインに立てますね」
「そうなる、連合は我々の六百倍だ」
 今度は国力の話をした。
「その連合に追いつく為にはな」
「一千億の者が一つになり」
「そしてだ」
 そのうえでというのだ。
「暗黒宙域を踏破してな」
「その先の資源を手に入れる」
「かつ技術も発展させてだ」
「領土の開発と開拓もですか」
「行っていく、産業革命前後の様にな」
 その頃の欧州の様にというのだ。
「それこそ社会が一変する様な発展を幾度も遂げないとだ」
「連合には勝てない」
「あの時の欧州はただ新たな技術が生まれただけではない」
 産業革命の頃の欧州はというのだ。
「機械が科学のな、それだけでなくだ」
「さらにでしたね」
「農業も医学もな」
 あらゆる分野がというのだ。
「急激に発展した、だからだ」
「あの頃の欧州の様に」
「発展してこそだ」
 そのうえでというのだ。
「エウロパは大国になる、ただ」
「ただとは」
「私は連合とは対するが」
 それでもというのだ。
「しかしだ」
「他の国とはですか」
「戦わないしだ」
「対することもですか」
「しない」
 こうモンサルヴァートに答えた。
「決してな」
「左様ですか」
「そうだ、だからだ」
 それにというのだ。
「サハラとはな」
「和解しますか」
「そうしたい、出来ればだ」
 ギルフォードはさらに言った。
「サハラが統一されるとな」
「そこからですか」
「すぐにその統一されたサハラとだ」
 この国と、というのだ。 
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