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八条学園騒動記

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第七百四話 休まず動く国その十

「常にそうらしいしな」
「休みなく働いていますか」
「朝の早くから夜遅くまでな」
「実にご多忙ですか」
「それで身体を整えることもな」
「スポーツですね」
「忘れないというが」
 それでもというのだ。
「まさに睡眠の時以外はな」
「何かをしていますか」
「そうした仕事ぶりをいつも評価されているらしい」
「余裕のないそれを」
「勤勉さがな」
「勤勉は最大の美徳ですか」
「連合ではな」
「そして余裕を見せるとですか」
「怠惰だとな」
 その様にというのだ。
「言われる、連合では怠惰はな」
「最大の悪ですね」
「それが導く停滞はな」
「そうなるのですね」
「だからな」
 それ故にというのだ。
「あの長官殿はあの外見と能力もありだ」
「人気があるのですね」
「それこそ人気の俳優の様にだ」 
 そこまでというのだ。
「人気がある」
「それは私もです」
「よくわかるな」
「はい、まさにです」
「スターだな」
「しかもこの学園を経営している」
「八条グループの後継者だ」
 そうした立場もあるというのだ。
「この学園に至ってはな」
「あの御仁が理事長ですね」
「それも務めているしな」
 このこともありというのだ。
「尚更だ」
「人気がありますね」
「この学園では特にだ」
「人気がありますね」
「最高の理事長だとな」 
 その様にというのだ。
「敬愛さえだ」
「されていますね」
「そうだ、しかしな」
「それはですね」
「衆愚共だからだ」
「思うことですね」
「幾ら家柄もよく資産がありだ」
 そしてというのだ。
「有能で顔立ちがよくともな」
「余裕がないのなら」
「それだけでだ」
 まさにというのだ。
「駄目だ」
「余裕も知らなくては」
「真の人生ではない、真の優雅さも気品もだ」
「ないですね」
「そうだ」 
 まさにというのだ。
「余裕が如何に大事なものか」
「連合ではわかっていない」
「怠惰ではないのだ」
 大尉は語った。 
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