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X ーthe another storyー

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第二十二話 姉妹その十八

「貴女は」
「そのこともこれからね」
「お話してくれますか」
「ええ、だからね」
「今はですか」
「私がお話させてもらうから」
 それ故にというのだ。
「お願いね」
「そうさせてもらいます」
「そうしてくれたら嬉しいわ」
「それでは」
「では中に入りましょう」
 征一狼はこのことを話した。
「そうしましょう」
「社の中に」
 嵐が応えた。
「これから」
「はい、真神さんもそうされるとのことなので」
「ええ、ここでお話するよりもね」
 時鼓も答えた。
「社の中に入って」
「そこで、ですね」
「お話しましょう」
「それでは」
 こうしてだった。
 時鼓と神威に封真に小鳥そして天の龍の者達は社の中に入った、そして彼女を半円状に囲んで座ってだった。
 自分達と向かい合って正座した時鼓の言葉を待った、その言葉は。
「まず私の名前は真神時鼓だけれど」
「母さんの旧姓だ」 
 神威が答えた。
「そうだった」
「ええ、それこそがね」
「姉さんの妹か」
「貴方の叔母にあたるよ」
「何よりの証だな」
「そうよ」
「外見もそっくりならか」
「そうなのよ」
「そうか、まさにな」
「私は貴方の叔母になるのよ」
「若しかして」
 ここで言ったのは嵐だった。
「神威の家族になりに」
「あっ、そうですね」 
 護刃は嵐の言葉にはっとなって述べた。
「叔母さんなら」
「血縁者だからね」
「引き取ってご家族になっても」
「不思議ではないわ」
「そうですよね」
「それなら」
「残念ながら違うわ」
 時鼓は二人の話を微笑んで否定した。
「私達は家族になれないの」
「それはどうしてでしょうか」
「もうすぐ終わるから」
「終わるとは」
「私の人生がね」
 それ故にというのだ。
「だからよ」
「貴女の人生が」
「私はここに死ぬ為に来たの」
 こう言うのだった。
「だからよ」
「死ぬとは」
「このことも話すから」
 今からというのだ。
「聞いてね」
「わかりました」
「何か物騒な話になってきたな」
「そうだね」 
 昴流は空汰の言葉に頷いた、彼等も皆正座している。
「これは」
「死ぬとか生きるとか」
「剣呑なね」
「そんな話になってきました」
「全くだよ」
「そうはなっていないわ」
 ここでこう言ったのは時鼓本人だった。
「ごく自然なことよ」
「自然ですか」
「そうよ、私にとってはね」
 こう昴流に話した。
「そうなのよ」
「運命ということですね」
「その運命のお話もね」
「これからですね」
「させてもらうわ」
「ではこれから」
「はじめるわ」
 微笑んで言ってだった。
 時鼓は口を開いた、そのうえで話をするのだった。


第二十二話   完


                  2023・4・1 
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