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X ーthe another storyー

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第二十二話 姉妹その十五

「本来の姉さんのね」
「そのお心が真逆になった」
「邪悪な」
「ええ、この世の全てを憎んでいてね」
「破壊しようとしていますね」
「しかも力はそのままよ」
 これはというのだ。
「姉さんのそれがね」
「そのまま備わっていますね」
「何しろ身体は姉さんのものだから」
 丁のというのだ。
「それでよ」
「力はそのままで」
「それでね」
 そのうえでというのだ。
「非常にね」
「強いですね」
「力は使う人次第よ」
 庚は眉を顰めさせて言った。
「もう一人の姉さんが使えば」
「恐ろしいことになりますね」
「そして姉さん自身もね」
「滅ぼしますね」
「もう一つの姉さんは破壊そして破滅を願っているから」
「それ故に」
「姉さん自身もね」
 まさにというのだ。
「最後はね」
「破滅させますね」
「そうなるから」
 だからだというのだ。
「私は姉さんを救う為に」
「もう一人のあの方を倒しますね」
「必ず。実は地の龍は地球を護る存在で」
「人間を滅ぼすことは務めではありません」
「ええ、姉さんは地球もよ」
「人間だけでなく」
「両方を滅ぼそうとしているわ、それが例え表面だけのことにしても」
 地球のというのだ。
「けれどね」
「そうしますね」
「だからね」
 それでというのだ。
「私は地球を護る為にも」
「もう一人のあの方を倒しますね」
「中々出て来ないけれど」
「やがて引き摺り出して」
 そうしてというのだ。
「倒すわ」
「ではその為にも」
「今はね」
「七人を揃え」
「絆も深めていくわ」
 こうした話もしてだった。
 庚は牙暁と共に今は丁のことを考えていた、孤独という地獄から生まれたもう一人の彼女のことも。
 そして丁は天の龍の六人と神威を議事堂に集めて告げた。
「これより皆さんには桃生神社に行って欲しいのですが」
「あの神社か。何かと縁があるな」
 神威はその話を聞いて言った。
「封真にも小鳥にも」
「そやな、不思議な位にな」
 空汰も考える顔になり神威に言った。
「あそことは縁があるな」
「そうだな」
「何やろな」
 空汰は顎に手を当てて考える顔のままこうも言った。
「あそこも運命の中にあるんやろか」
「そうかも知れないわね」
 嵐もその可能性を否定しなかった。
「あの神社は」
「ほんまそやな」
「ううん、そういえばです」
 護刃も言ってきた。
「封真さんも小鳥さんも」
「尋常でないもんを感じるな」
「何処か」
「そうやねんな」
「神社自体に妙な気配も感じます」
 征一狼はこちらの話をした。 
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