好色な王様の死因
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第一章
好色な王様の死因
フランスの歴史を調べていてだ、八条大学文学部歴史学科で西洋史を学んでいる福岡政孝は呆れた顔になって言った、四角い分厚い眼鏡をかけていてやや面長で優しい顔立ちで黒髪をショートにしている。背は一七〇程で中背である。
「フランスの王様って女好きが多いね」
「多いよ」
その彼に高校時代からの友人で同じ大学に通っていて今一緒に大学の食堂でお好み焼きを食べているシャルル=モンテスが答えた。青い目でブラウンのセットした髪で彫の深い長方形の顔で背は一七五程で引き締まった身体をしている。福岡は無頓着な感じのファッションだがモンテスはお洒落と言っていい。
「ルイ十四世とかルイ十五世とか」
「アンリ四世もだね」
「フランスは寵妃なんて人もいたし」
「愛人さんだね」
「そうした人もいて」
それでとだ、モンテスは海老玉を食べつつ話した。
「他にも何人もっていうのが」
「普通だったんだ」
「そうだよ」
「日本も女好きな歴史上の人物いたけれど」
福岡はいか玉を食べつつ言った。
「伊藤博文さんとか」
「あの人は芸者さん好きだったね」
「それで有名だね」
無名の芸者さんと遊ぶことが好みであったという。
「毎晩みたいに遊んでいたとか」
「桁外れの女好きだね」
「けれどフランスの王様は」
「もっとだね」
モンテス自ら言った。
「その伊藤博文さんよりもだね」
「女好きの王様いるね」
「さっき挙げた人達に」
ルイ十四世達に加えてというのだ。
「フランソワ一世も凄かったよ」
「ヴァロワ朝の」
「フランスの王様の常で人妻さんでも誰でもで」
相手構わず関係を持ってというのだ。
「ユゴーの作品でも書かれたよ」
「逸楽の王だね」
「ヴェルディの歌劇リゴレットの題材にもなった」
「あの作品だね」
「兎に角凄い女好きで」
海老玉のソーストマヨネーズの味も楽しみながら話した。
「誰でもこれはと思ったらで王様の権威さえね」
「使って手を出していたんだ」
「うん、それでね」
モンテスはさらに話した。
「ある商人の奥さんに王の命令だって言って」
「ああ、愛人にしたんだ」
「無理にでもね」
「それかなり酷いね」
「それでどうなったか」
モンテスは真顔で話した、このことは。
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