生徒会の一存~とある会計補佐の日常~(再び凍結中)
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第1部
ゆる~く駄弁る?
第一話『駄弁る生徒会』其の1
「世の中がつまらないんじゃないの。貴方が、つまらない人間になったのよ!」
生徒会長である桜野くりむは、今日もない胸を張ってどこぞの本に書かれた名言を口にした
良い言葉をセレクトしたようで、副会長、杉崎鍵は珍しく感銘を受けていた
初めての体験―――それは恐くもあるが同時に楽しくもあるものだ
初めての恋愛
初めての友情
初めての非行
初めての成功
まあ何はともあれ、何事も初めての瞬間というのはワクワクドキドキするものだ。
だが回数を重ねるごとに、まるで鮮度が落ちて味も落ちるようにつまらなく感じるようになる
そう感じた瞬間、その人はくりむが言う「つまらない人間」になってしまうのだろう
「それじゃあ童貞もそんなに悪くないってことですか?」
「ブッ!?」
会長は飲んでいたお茶を吹き出した
「さっきの私の言葉からどうしてそんな返しがくるわけ!?」
「甘いですね会長、この“杉崎鍵”という男の思考回路は基本まずそっちに直結します」
「何を偉そうに! 杉崎は副会長としての自覚がーー」
「自覚ならありますよ? ここが俺のハーレムっていう―――」
「とりあえず副会長の自覚持つ前にまずそっちの自覚を捨てることから始めようか」
鍵の相手が疲れたのか適当にあしらい、近くにあったティッシュで長机を拭き始める
そこにーー
「繰り返す! 敵が本基地に侵入!数は3、直ちに迎撃せよ!」
『任務了解!』
鍵と会長は敬礼をしている・・・さて
「お二人さん、何をやられているので?」
「アナタがやらせたんでしょうが!」
「そうよ! お陰で杉崎と同じ事をしちゃったじゃないの!」
「会長、その言いぐさはヒドくないですか!?」
はいはい、夫婦喧嘩は余所でやっておくれ
「誰が夫婦よ!?」
お、読心術が使えるようになったか。めでたいめでたい
「え? 俺と会長では?」
「杉崎とくっつく位なら、篠とくっついた方がまだマシだよ!」
「会長、俺なんかでいいんですか・・・?」
「篠に冗談が通じなくなった!?」
さて、デザートイーグルの改ぞ・・・基、調整をっと
先程の騒ぎは勝手に終息し、静寂とした空気が流れる
会長はお茶を入れ直しくつろぎ中。
鍵は会長を鑑賞中
俺はガチャガチャとモデルガンをいじり中
とても穏やかな空気が生徒会室中を流れていたが、ある男の発言でかき消された
「会長」
「何よ?」
「好きです。俺と付き合ってください」
「ブフッ!?」
本日二回目の会長の茶吹き・・・パーツにかかるんですけど?
会長は少し咳き込みつつ、鍵を睨む
「何でそんなに軽薄に告白できるのよ!?」
「本気だからです!」
「嘘だッ!!」
その時、どこからともなくカナカナカナ・・・ と蜩の鳴く声が聞こえてきた・・・おかしい、確か5月くらいだったはずだが?
「ひぐらしネタは微妙に古いですよ? 会長」
「つか鉈を持ってる同級生って怖くね?」
現実に居たらソイツとは少し距離を置くな・・・いくら何でも無理だ
「杉崎、この生徒会室に始めて顔出した時の、第一声を忘れたとは言わせないわよ!」
「なんでしたっけ?えーっと・・・『俺に構わず先に行け!』でしたっけ?」
「初っ端からどんな状況なのよ生徒会! ちがうでしょう!」
「そうだぞ鍵、『俺がガン○ムだ!』だったろ?」
「それはもう即精神科に行かせるべきだよ! ソレスタ○ビーングも無いし!」
「『テメェなんて怖かねぇ! 野郎ブッ殺してやらぁ!!』」
「うちの生徒にメイトリ○スは居ないよ! 殺す以前に深夏に鎮圧されてるよ!」
「『いいセンスだ・・・』って言いながら全裸でダンボールから出てきたんだろ?」
「蛇さんなんて呼んでないよ! 何!? 核かメタル○アがウチの学校にあるの!? あと全裸って、軽装にも程があるよ!」
「あれ? それじゃあ『ただの人間には興味ありません。宇宙人、未来人ーー』」
「危険よ杉崎! 色んな意味で!」
「大丈夫です。原作派ですから」
「何の保証!? あとアニメの出来は神だよ!」
ちなみに俺は長門さんが好きです
何やら在らぬ方向へヒートアップしてきた所に、ドアが開いてーー
「シー君、キー君。あまりアカちゃんをいじめちゃだめよ?」
そう言いながら入ってきたのは、3年A組所属で生徒会書記を務める紅葉知弦さんだった
因みにシー君とは俺のことで、篠の頭文字を取ってシー君らしい・・・あだ名で呼ばれることは珍しいのだが本人曰く、「別に友好度で区別しているわけじゃない」らしい。
鍵の後にだが、俺もこの人にはお世話になった・・・感謝してもしきれないくらいに
「いじめてなんかいませんよぉ。ただ辱めていただけです」
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