神々の塔
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第二十三話 南洋の神々その四
「それでや」
「キリスト教は同性愛否定してたし」
「それも死刑にもなる」
「そこまで重罪やったから」
「ネイティブの人等はな」
「忌まれてたんやね」
「そうかもな」
「まあ今から見るとな」
どうかとだ、メルヴィルは話した。
「ちょっとな」
「問題あるのは」
「キリスト教の方やろな」
「同性愛を悪いこととした」
「幾ら生産性なくてそうした趣味がないと気持ち悪い人もおるやろけど」
それでもというのだ。
「死刑とかそこまで否定する位はな」
「なかったな」
「そやった」
そうだったというのだ。
「わしからするとな」
「そう思うことやね」
「ああ、わしは同性愛者やないが」
メルヴィルはこのことは断った。
「そやけどな」
「それでもやね」
「こっちはその趣味がない」
「それでええことやね」
「そうしたもんやろ」
「それで終わりやね」
「まあ同性愛は共産主義でも否定されたけどな」
このことを話したのは羅だった。
「ソ連でな」
「そやったん」
「それで刑務所に入れられる様な」
「重罪やったんやね」
「そうなったんや」
ソ連ではだ、最初は共産主義の下で認められていたがそれでも後に秘密警察の進言でスターリンが禁止させて崩壊まで続いたのだ。
「これが」
「そうやねんね」
「まあスターリンもな」
その彼もというのだ。
「その趣味がな」
「なかったんやね」
「そや」
まさにというのだ。
「それでや」
「同性愛もやな」
「禁じることが出来た」
「自分が趣味やないさかい」
「そういうことや」
「成程な、まあ趣味やなくてもな」
自分のとだ、メルヴィルは述べた。
「別にな」
「罪にすることはやな」
「ないやろ、そんなん言うたら日本やと」
「どうなるか」
「昔からな」
「それな、日記に書く位や」
施も話に入った。
「お公家さんがな」
「ほんまに書いてたからな」
中里が施に応えた。
「平安時代にな」
「自分の同性愛の話をな」
「誰とどういうことしたか具体的にな」
「書いてたな」
「不敵不敵とかな」
藤原家において学問で知られた藤原頼長の日記である、この日記は現存していて読むことが出来るのだ。
「書いてたわ」
「それキリスト教やとな」
「アウトやな」
「そんなこと日記に書いたら」
それが見付かればとだ、施は話した。
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