スケ番はまだいるのか
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第一章
スケ番はまだいるのか
お世辞にも柄がよくない学校に通っている滋賀麻里子は学校の仕事をしている時に学校の昔のアルバムを見た、そこで一緒に仕事をしているクラスメイト達に言った。茶色の髪の毛をショートにしていて丸く小さな顔である。気の強そうな大きなアーモンド形の目と大きな赤い唇に一六九位のすらりとした身体を持っている。短くしたスカートから長い足が見えている。
「うわ、昭和の頃すげえな」
「どうしたんだよ」
「見ろよこの恰好」
そのクラスメイトにアルバムを見せながら言った。
「すげえだろ」
「ああ、昔のドラマ見たらこうなんだよな」
そのクラスメイトもこう言ってきた。
「昭和の五十年代とかな」
「ええと、母ちゃん達がまだ子供の頃か」
「その頃ってな」
「こんなのか」
「不良もな」
「そうなんだな、ちょっとないだろ」
麻里子は笑って言った。
「男はリーゼントやパーマで長ランって」
「超長ランもあるよな」
「下はボンタンとかドカンでな」
「昭和五十年代乙だよな」
「それで女はな」
麻里子は今度はそちらの話をした。
「セーラー服のスカート葦完全に隠れてな」
「上は臍見える位短くて」
「派手なメイクしてパーマとかアフロとか」
「すげえ恰好だな」
「こんな恰好今ねえな」
クラスメイトに笑って言った。
「流石にな」
「ねえねえ」
「うちの母ちゃんここの学校出身でな」
麻里子は自分の母の話もした。
「ここで父ちゃんと会ってな」
「親父さんの家の仕事一緒にやってるんだよな」
「土産物な」
この街は観光地なので代々それを売って暮らしているのだ。
「次は兄ちゃんが継ぐぜ」
「八条大通ってるんだよな、兄さん」
「ああ、あたしや父ちゃん母ちゃんと違って頭よくてな」
それでというのだ。
「大学行ってるんだよ」
「そうだったよな」
「しかしな、うちの学校昔から県内でも有名なヤンキー校だけれどな」
「昔はこうだったんだな」
「昭和の頃からな」
クラスメイトと仕事の合間にこんな話をした、そして先生に言われてわかったよと返してから仕事に戻った。それから部活の卓球部に出てだった。
家に戻ってだ、夕食の時に母にアルバムのことを話してから言った。
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