イベリス
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第百三話 夏休みの宿題その十
「太宰も芥川もね」
「イケメンよね」
「そのことは事実なのよね」
「人間外見だけじゃないけれどね」
それでもとだ、同級生は咲に言った。
「やっぱりね」
「どうしても目がいくわね」
「そうなのよね」
「だから太宰もね」
「芥川もね」
「二人共人気があるのよ」
今もというのだ。
「イケメンということもあって」
「やっぱりそうよね」
「物語でもイケメン、美形だと」
そうしたキャラクターならというのだ。
「もうね」
「人気出るわね」
「光源氏も人気あるし」
「美形だから」
「幾らハイスペックでもね」
優れた政治家であり教養豊かでもというのだ。
「それで元々皇室の方でも」
「やっぱりイケメンだから」
「そのことがね」
「大きいわよね」
「紫式部もそれがわかっていて」
それでというのだ。
「ああした風にね」
「書いてるわよね」
「だからね」
「物語でもイケメンは人気あって」
「現実でもね」
「そういうことね」
「まあ美意識はそれぞれで時代によってもね」
そうしたものでというのだ。
「変わるけれど」
「国によって違ったりね」
「そうだけれどこれはっていう外見だった」
「その人のファンになるわね」
「ええ、だからうちのお店の店長さんもね」
速水、彼のこともここで言った。
「イケメンだから」
「余計に人気あるのね」
「そうみたいなのよ」
これがというのだ。
「やっぱりね」
「イケメンって大事な要素ね」
「人を顔だけで判断するのは最低でも」
人としてというのだ。
「けれどね」
「重要な要素の一つね」
「そのことはね」
「やっぱりあるわよね」
「どうしてもね」
「そこは否定出来ないわね」
「そうなのよね」
こう言うのだった。
「これが」
「やっぱりね」
こうした話をした、そしてだった。
咲は家に帰った時あるテレビのキャスターを見て言った。
「この人人相悪いわね」
「だって悪口ばかり言うのよ」
母が言ってきた。
「それじゃあね」
「人相も悪くなるのね」
「悪いことばかり言ってたら」
そうしていると、というのだ。
「その分ね」
「人相も悪くなるのね」
「悪いことを言って考えていたら」
それならというのだ。
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