| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

博士の挑戦状

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第五十話

                第五十話  子供には手を出さない
 博士は決闘を前にして小田切君に話した。
「わしは子供や生きものには手を出さん」
「一般市民にもですね」
「あくまで殺すのは小悪党でな」
「戦うのは軍人や警察ですね」
「戦士とは戦うがな」 
 それでもというのだ。
「戦士もな」
「戦うだけですよね」
「その命に興味はない」
「それで本当に一般市民は関係ないですね」
「昔からな」 
 それこそ二百億年前にこの宇宙に来る前からだ。
「何よりも子供にはじゃ」
「手を出さないですね」
「子供でも外道にまでなったな」
「小悪党ならですね」
「容赦せんが」 
 それでもというのだ。
「普通の子供ならじゃ」
「手は出さないですね」
「それが本物のマッドサイエンティストじゃ」
「法律や常識は無視しても美学は守る」
「何があってもな」
 それこそというのだ。
「それをするのがじゃ」
「マッドサイエンティストで」
「それでじゃ」
 博士はさらに言った。
「この度もな」
「魔女の先生達の生徒さん達は」
「おるのは知っておるが」
 それでもというのだ。
「全くじゃ」
「攻撃を向けないですね」
「左様、あと使い魔達にもな」
「何もされないですね」
「戦うのは先生達とカーミラ嬢じゃ」
 それ故にというのだ。
「全くな」
「使い魔達にも手を出さない」
「そしてじゃ」 
 そのうえでというのだ。
「戦っていくぞ」
「そうされますね」
「この美学は守ってな」 
 そうしてというのだ。
「最後まで戦うぞ」
「わかりました」
 小田切君も頷いた応えた、彼は戦うことはしないが見守る立場として博士にそうした。そのうえで決闘の時を待つのだった。


第五十話   完


                   2023・3・31 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧