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星河の覇皇

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第八十四部第二章 交渉の用意その十

「我々と違い」
「最低限で済んでいるからな」
「その分をです」
「経済開発に振り分けているな」
「教育と福祉にも予算を投じていますが」
「経済開発にだな」
「かなりの予算を常に投入しているので」
 だからだというのだ。
「あの様にですね」
「常に発展している、わかっていることだが」
「忌々しいですね」
「実にな」 
 ギルフォードは甘い紅茶を飲みつつ苦い顔で述べた。
「そう考えている」
「やはりそうですね」
「どうもな」
「そうですか」
「連合の強みはわかっている」
「発展においてのそれは」
「膨大な資源と領土に加えてだ」
 さらにというのだ。
「軍事費への負担が少ない」
「それも非常に」
「最低限で済んでいる」
「それが大きいですね」
「やはりな、総生産の一パーセント台でだ」
 それだけでというのだ。
「充分だ」
「それだけで各国を遥かに凌駕する軍隊が用意出来る」
「中央政府軍創設以前もな」
「各国軍だけでもでしたね」
「全体の数は我がエウロパ軍の十倍以上だった」
「常にそうでしたね」
「それだけの数とあの技術があればな」
「最早充分です」
 カミュも言い切った。
「国防は」
「軍事費は総生産の一パーセントでな」
「そしてその分を経済発展の為に回す」
「そうしてこれたからな」
「連合は発展出来ましたね」
「常にかなりの成長率でな」
 それが出来たというのだ。
「我々と違うな」
「そうですね、ですが我々は」
 カミュはまた自分から述べた、述べつつコーヒーの横にあるケーキを食べた。様々なフルーツを使った見事なケーキだ。
「そうはいきません」
「その連合と常に対している」
「それならです」
「かなりの規模の軍隊が必要でだ」 
 そしてというのだ。
「軍事費もな」
「かなりの規模が必要ですね」
「そうだ、だからだ」
 それ故にというのだ。
「我々は経済発展を遂げようとしてもな」
「予算の面で制約がありますね」
「今もな、軍事費は必要だ」
「どうしても」
「国防の為にな」
「連合と対するには」
「その為にな。だがふと考える」
 ギルフォードはここで彼のケーキを食べた、それからまた話した。
「連合と対せずな」
「あの国とですか」
「融和出来ればだ」
「軍事費は必要なくなる」
「今の規模のな、今は軍事費は国家予算の二割だ」
 エウロパのそれのというのだ。 
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