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おぢばにおかえり

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第七十五話 天下茶屋その二

「難波の方も含めて」
「難波もなのね」
「カレーとかラーメンとか」
 そうした食べものでというのです。
「詳しいつもりです」
「食べものについても知ってるのね」
「はい、自由軒とか蓬莱とか」
「どっちもよく聞く名前ね」
「祖父ちゃんと父に教えてもらって」
 それでというのです。
「知ってます、道頓堀の方も」
「ああ、そっちもなのね」
「知ってます、たこ焼きやお好み焼きのお店も」
「そういうのも詳しいのね」
「そして串カツも」
 こちらもというのです。
「なんばパークスにいいお店ありますよ」
「ひょっとして串家物語?」
 私はそのお店の名前を察して言いました。
「あそこ?」
「そうです、あそこも行きますし」
「結構以上に大阪に馴染んでるのね」
「ですから大阪のことなら」
 それならというのです。
「任せて下さいね」
「この辺りのことは詳しいのね」
「はい、ただ」
「ただ?」
「ここも変わりました」
 新一君は残念そうにこうも言いました。
「どうも」
「変わったっていうと」
「商店街も寂れて好きだったお店もなくなりました」
「そういうことね」
「僕が子供の頃と比べても」
「商店街はね」
 私も実感があります、このことは。
「八条町の商店街はどちらも観光地でもあるしね」
「八条グループの社員さんや八条学園の学生さんがいてですね」
「賑わってるけれど」
「それでもですよね」
「他の商店街はね」
 私も見てきました、あちこちで。 
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