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私の 辛かった気持ちもわかってよー

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2-2

 2学期の期末テストが近づいた土曜日。図書館で村沢君と待ち合わせをしていて、白木屋君も一緒に勉強しようと呼んでいた。実は、11月の終わりに、私は白木屋君から付き合ってくれと告白されていたが、村沢君とのことを白状していたのだ。その時は、白木屋君も「わかった じゃぁ 応援するよ」と、気持ち良く言ってくれていた。

 今日の私は赤レンガ色のコーデュロイでサイドベルトのミニのラップスカートで来ていた。あれからは、村沢君を意識してミニスカートとかショートパンツの恰好のことが割と多くなっていた。私と村沢君が自習室に居ると遅れて白木屋君がやってきた。見ると、その後から レモンイエローのフレァーなミニスカートの可愛い女の子が・・

「おう さっそく 仲良さそうだなー 俺等も一緒させてもらってもいいか?」

「あぁ いいけど・・・」と、村沢君も私もその女の子に釘付けになって見ていると

「あっ 樹羅《きら》ちゃん 俺等 付き合ってるんやー 期末近いから、一緒に勉強しようって 連れてきた いろいろと教えられるかもしれんしー」

「えっ ええー それはかめへんけど・・・」と、私達は戸惑っていたのだ。

「こんにちは よろしく お願いしまーす あっ 山城さんですよね? 天野樹羅でーす よろしくです」と、可愛い声で頭をピョコンと下げていた。

「私のこと 知っててくれるんだ」

「ええ エースですから・・ 女の子の間でもあこがれですよぉ・・」

 この可愛い娘は私も知っていた。1年生で確かバイオリンが上手だと評判なのだが、今は、吹奏楽部でクラリネットをやっていて、身体つきが小さくて顔立ちが可愛らしくてアニメの女の子みたいで男の子からも注目を集めている子なのだ。

 私達は白木屋君を本棚のほうに連れ出して

「どういうことよー 少し前には・・ ウチに・・ 無節操なー」途中まで言って私は、村沢君には白木屋君とのことを黙っていたことに気づいた。

「そうだよー 匠 あの子はまだ・・ 毛も生えそろってないような子供じゃぁないのかー?」

「あららっ らっ 山水にしては 下品な言い方だなー それを見守るんだなー 俺は」

 その時、初めて、この人達が何の話をしているのか意味がわかって

「なによー 二人とも 男って そんなことしか考えてないのーっ! サイテー」と、二人を睨みつけていたのだが

「いや あこがれの人に振られたしなー 彼女 可愛いしな! 早いこと 手を打っておかないと、誰かに取られちゃうからー 彼女 最初は困惑していたんだが、強引に付き合ってくれと・・で なんとかな 付き合うことになった 俺は真面目に思ったんだよ」

 何となく、私達は納得して、教科書を広げている彼女の待つ席に戻って行った。

「キラちゃん あのー こんなガサツな男でいいの? まぁ 良い奴なんだけど・・」と、村沢君が切り出したら

「えぇ 私 付き合うってーどんなのか 良くわからないんですけど・・ 私が返事出来ないでいても 一生懸命 押してくるんですよー だからー 何となく 頼りになるかなぁーって 私 お兄ちゃん居ないから あこがれなんです」

「はぁー そんなもんなのかなぁー 白木屋君 大切にしなきゃぁ ダメよ!  こんな可愛いんだからー じゃぁ キラちゃん 私達もよろしくネ わかんないとこあったら教えるから、遠慮しないでネ」と、女って真正面からぶつかって来てくれる人って弱いんだよねー 私だって 村沢君と付き合い始めてなかったら・・・断りきれなかったのかも・・。

「ハイ! そのつもりで・・ 誘われましたから・・ 匠さんから」

 もう、匠さんだって・・ウチって まだ 村沢君としか・・・と、心の中で自分のこと振り返っていた。だって 山水って・・旅館みたいなんだものー 呼びにくいんだ。さんちゃんってのもなぁー。

 でも、お互いに呼び合って、仲良さそうに、時々、キラちゃんが白木屋君を頼って教えてもらっているを見ていると、案外、この二人、お似合いなのかなって思ったりしていた。

 そして、私 ぎこちなく しらぁっと 山水って呼んだりしてみたのだ。 
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