新オズのリンキティンク
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第三幕その八
「日本の」
「テレビでも壊されてですね」
カルロスは和菓子を食べつつお話しました。
「映画でもですね」
「特撮では色々な場所壊されますけれど」
ジョージも笑ってお話します。
「大阪城は多い方ですね」
「有名な場所ですしね」
だからだとです、神宝も言います。
「どうしてもそうした風に使われますね」
「私達の住んでいる兵庫県では姫路城の天守閣が有名ですが」
それでもとです、恵梨香は秀吉さんにお話しました。
「あまり壊された記憶はないですね」
「わしは姫路城にもおった時があったが」
秀吉さんは五人に応えてお話しました。
「何でか壊されるのはこっちじゃな」
「大阪城ですね」
「特撮ではそうですね」
「そうなりますよね」
「姫路城でなくて」
「こちらですね」
「うむ、それでじゃ」
秀吉さんはさらに言います。
「わしとしては複雑な気持ちじゃ」
「いいお城で絵になるからじゃないですか?」
ボボ王子は秀吉さんに言いました。
「だからじゃないですか?」
「絵になるからか」
「はい、壊してもです」
「よいのか」
「それもまた絵になるので」
だからだというのです。
「使われるのではないですか?」
「そうなのか」
「僕が今思ったことですが」
「成程のう、しかしな」
それでもとです、秀吉さんは王子に応えて言いました。
「わしとしては壊されるとな」
「それが創作の世界でのことでもですね」
「複雑じゃ」
そうしたお気持ちになるというのです。
「どうもな」
「そうなんですね」
「わしが精魂込めて築いた城じゃからのう」
「まさにーーですーーね」
チクタクだけはお茶もお菓子も楽しんでいません、ですがそれでも場にいて雰囲気を心の栄養にしています。
「秀吉さんのーーお家ーーですーーね」
「この城はのう」
「オズの国ーーでも」
「殿は安土城がお家でな」
秀吉さんは信長さんのお話もしました。
「それでじゃ」
「大阪城はーーですーーね」
「わしの家じゃ、実際に御殿もあってな」
後ろに見事な日本の宮殿と呼ぶべき場所があります。
「住んでおるしのう」
「お家がーー壊されるーーことーーは」
「やはり作り話でもな」
そうであってもというのです。
「複雑な気持ちになる」
「そうーーですーーか」
「うむ、やはりな」
こう言うのでした。
「楽しんで観ておってもな」
「楽しんでおるのか」
「テレビも映画も好きでのう」
リンキティンク王にそれはと笑って応えます。
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