X ーthe another storyー
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第二十一話 哀愛その二
「ちょっと行ったら昔の宿場町があってな」
「そこになのね」
「大きな旧家もあるんや」
「それじゃあその旧家に」
「そうかもな、そこの大地主さんでな」
「資産もあるのえん」
「そうみたいや、ほなその宿場町の方にな」
今からというのだ。
「行こな」
「わかったわ」
嵐は空汰の言葉に頷いた、そしてだった。
二人で駅から宿場町の方に向かった、すると。
その途中でだ、空汰は今度はこんなことを言った。
「思えばな」
「どうしたの?」
「いや、皇家の当主さんやけどな」
その彼のことを山道を歩きつつ話した、宿場町までの道である。
「その人えらい美形らしいんや」
「そうなのね」
「クランプ学園におられたってのは知ってるな」
「私達が今いる」
「征一狼さんと火煉さんもおったな」
「地の龍の人達もね」
「遊人さんは卒業生でな」
「今は八頭司颯姫がいて塔城霞月ね」
「その二人もおるな」
「クランプ学園にいたわね」
「中退やけど」
それでもというのだ。
「おったのは事実でな」
「聞いているのね」
「在籍した時からえらい美少年でな」
それでというのだ。
「評判やったらしい、それで今もな」
「奇麗な人なのね」
「そう聞いてるわ」
こう嵐に話した。
「思えば天の龍はおひいさんも別嬪さんやし」
「あの方は確かにそうね」
「皆美形でな」
それでというのだ。
「わい天の龍でよかったわ」
「そう思ってるのね」
「顔だけやなくてな」
笑ってさらに言った。
「心もな」
「奇麗だというの」
「そや、天の龍はな」
「そしてそれは」
「おひいさんもでな」
「そのお心は奇麗ね」
「ほんまな」
まさにというのだった。
「裏表なんて全くないな」
「いつも真剣に世界のことを考えて」
「わい等に話してくれるな」
「素晴らしい方ね」
「ああ、あんな人もおられるし」
それにというのだった。
「天の龍の他の人等もな」
「いい人達だから」
「よかったわ」
こう言うのだった。
「ほんまにな」
「そう思っているのね」
「天の龍でよかったってな」
「地の龍でいるより」
「地の龍も美形揃いでな」
それでというのだ。
「悪い人等やないと思うで」
「そうね、あの人達も」
嵐も否定しなかった。
「特に」
「そやけどな」
「天の龍の人達がなのね」
「好きでな」
丁達も含めてというのだ。
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