星河の覇皇
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第八十四部第一章 梟雄の復活その四十二
「必ずだ」
「勝たれますね」
「アッディーン大統領に」
「そしてそのうえで、ですね」
「この戦争にも」
「勝つ、オムダーマン軍にも優れた将帥は多いが」
それでもというのだ。
「私に敵う者は一人だけだ」
「そのアッディーン大統領だけで」
「他のオムダーマン軍の将帥は、ですね」
「敵ではない」
「そうなのですね」
「他の誰が来ても打ち破る、数もだ」
これの問題もというのだ。
「敵を破っていけばな」
「そうしてその数を減らしていけば」
「それで、ですね」
「覆すことが出来ますね」
「必ずな、これから逆転する」
やはり言葉は揺るがない、確信しているからこそ。
「いいな、五日の間に戦局は変わったが」
「その変わった戦局をですね」
「これからまた変える」
「そうされますか」
「必ずな、戦争は一瞬で戦局が変わる」
その戦場を知っているからこその言葉だ、攻撃一つでそこでいきなり戦局が変わることもあるのが戦争というものだ。
「そしてその一瞬でだ」
「戦いを変えられますか」
「今はティムール軍が不利ですが」
「それでも」
「私は約束する、アッディーン大統領が来ても」
その彼でもというのだ。
「私ならば対することが出来るしな」
「では」
「これよりですね」
「シャハラザードに戻られ」
「再び采配を執られますか」
「そうする、食事はあちらで摂る」
シャハラザードでというのだ。
「そうする、それとだ」
「それと?」
「それと、といいますと」
「私の不在は漏れていないことはわかるが」
それでもというのだ。
「妻達はどうしていた」
「奥方様達ですか」
「あの方々ですか」
「そうだ、どうしていた」
彼女達はというのだ。
「一体」
「閣下を待っておられます」
「今も」
「心配されています」
「実に」
「そうか、心配をかけたな」
妻達を思っての言葉だった。
「実に、だがだ」
「これより戻られて」
「そしてですか」
「そのご心配を晴らされますか」
「これより」
「そうする」
こう言うのだった。
「これよりだ」
「まずは家庭ですか」
「家庭を大事にしてこそですか」
「全てが成り立ちますか」
「家族を大事にしないならだ」
そうした者はというと。
「血を大事にしない、一族はだ」
「はい、サハラにおいてはです」
「今も重要です」
「まさに第一の場です」
「誰にとっても」
「シャイターン家も同じだ」
こう言うのだった。
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