仮面ライダー剣 悲しみが終わる場所
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第二十二章
「私の意志はまだ残る。そして君達とまたあいまみえよう」
「御前の魂は死なないというのか」
「その通りだよ」
相川に返す。
「私の力は無限だ。この力がある限り」
「人間を脅かすというのか」
「地球の全てを手に入れる」
橘の言葉を笑ってみせた。
「それを果たすまで私は」
「やっぱりバトルファイトもまた」
「そうだ、全ては私の地球を我が物とする為のものだった」
上條に応える。しかしこの言葉が真実なのかどうかはわからない。
「だからこそ再び会おう」
「その度に御前を倒す!」
剣崎はそう語る調停者を見据えていた。
「何度でもな!」
「ふふふ、そうか」
その言葉を聞いて何故か笑う。統制者は確かに笑っていた。
「ならば楽しみにしていよう。君達との戦いを」
これが最後の言葉だった。統制者は緑の光をあちこちから放ち消え去った。光の爆発が辺りを包み込んだ。
それで終わりだった。後には何も残っておらず四人のライダーが並んで立っているだけであった。
「まだ続くのか」
橘はそれまで統制者がいた場所を見て呟いた。
「俺達の戦いは」
「バトルファイトが終わっても」
上條の声は呆然としたものであった。
「それでもスサノオの意志は残って」
「俺達は奴とは戦わなくてはならない」
相川はまだ光をその目の中に残していた。
「それが運命か」
「俺達の運命」
剣崎は。今己の本当の運命を悟った。ライダーの運命を。
「スサノオと戦うことだったのか」
「そうだな」
橘がそれに頷く。
「モノリスとの戦いは終わったが」
「スサノオはまた俺達の前に姿を現わす」
剣崎は橘の言葉に応える。
「そしてまた新たな戦いが」
「そうだな。だが」
相川がここで剣崎達に述べてきた。
「今は帰ろう。モノリスの戦いは終わった」
「そうですね」
その言葉に最初に頷いたのは上條だった。
「少なくともバトルファイトはこれで終わりました」
「ああ。じゃあ帰るか」
「皆のところへ」
剣崎に相川が応える。剣崎の口元からは赤い血が流れている。しかし彼はそれを拭いはしなかった。流れるに任せていたのであった。
その頃麓での戦いも終わっていた。ダークローチ達が突如として姿を消したのであった。
「終わったのか!?」
「そうみたいだな」
乾に草加が応える。
「あいつ等は・・・・・・勝った」
「そうか。遂に」
三原がそれを聞いて述べる。
「あいつ等」
「俺達も生き残ったってわけか」
「そうみたいですね」
海堂に長田が応える。彼等はまだ変身を解いてはいない。ライダー、そしてオルフェノクの姿のままであった。
「剣崎さん達遂に」
「やったんだな」
長田も海堂も声が喜んでいた。オルフェノクで素顔はわからないが。
「剣崎君、本当にやったんだ」
木場はそのことを我がことのように喜んでいた。
「君は」
その時異変が起こった。海堂と長田が突然人間の姿に戻ったのだ。
「何っ!?」
「えっ!?」
二人はこれに驚いていた。そのことから自分で元に戻ったのではないのがわかる。
「どういうことだ、こりゃ」
「私達、どうして」
また変身しようとするができない。完全に人間の姿のままだ。
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