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仮面ライダー剣 悲しみが終わる場所

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第十三章

「物凄い話だよね」
「オルフェノクにもそんな謎があったなんて」
 真理も言う。
「元々オルフェノクはヒューマンが創った人でした。しかしそれが突然変異を起こし」
「生まれたってわけか」
 乾はそれを聞いて呟く。
「俺達みたいなのが」
「そうだったのです。そのオルフェノクとの人の争いがはじまったのが白銀の時代」
 ギリシアの古の話だった。青年はそれを出してきた。
「ヒューマンはバトルファイトを終わらせようと考えたのです。それの適合者を求めているうちに生まれてしまったのがオルフェノクでした」
「そうだったのか」
「貴方達と人の戦いは青銅の時代も続き今の鉄の時代もまた」
「だけれど王は死んだ」
 木場が言う。
「もうオルフェノクとの戦いは」
「はい、それは終わりました」
 青年は木場の言葉に答える。
「そもそもオルフェノクはすぐに滅ぶ筈でした。しかしそれは」
「そのスサノオって奴が介入してきたせいでか」
「そうです」
 青年は今度は海堂に答えた。
「王は彼の分身の一つだったのです」
「私達の王はそのずっと囚われている存在の一つだったなんて」
「じゃあ」
 草加はそこでふと気付いた。
「あの統制者もその可能性はあるな。貴方達と争ってきたんだからな」
「あら、わかったのね」
 スマートレディが彼に応える。
「そうよ。統制者もやっぱりスサノオなの。バトルファイトを行わせているのも」
「そんな、じゃあ俺達はずっとスサノオの手の中で」
「そういうことになります」
 青年は今度は三原に答えた。
「全ては彼のその遊びの中だったのです」
「くっ、じゃあ俺は」
 相川はここで苦悶の声を漏らした。
「その中で永遠に」
「貴方を創り出したのもまたスサノオでしたから」
「だがどうして今の俺は。ジョーカーと分かれたんだ」
「それはヒューマンアンデッドの力です」
「ヒューマンの!?」
 上條がその言葉に声をあげる。
「そうです。ヒューマンはジョーカーに封印されそこからジョーカーを変えていった。相川始、貴方は人間になったのです」
「ではあのジョーカーは一体」
「ジョーカーの闘争本能だけです」
 青年は今度は橘に説明した。
「それだけなのです」
「俺の昔持っていたものか」
「はい」
 相川の言葉に頷く。
「貴方は死すべき人になりました。もう貴方はジョーカーではなく相川始に完全になりました」
 そう語ったうえで剣崎に顔を向ける。
「そして剣崎一真、貴方は」
「俺が」
「貴方がジョーカーになることは運命だったのです」
「運命!?」
 剣崎は青年の言葉に目を丸くさせた。
「運命だった、俺がジョーカーになることは」
「そうです。バトルファイトを終わらせる為に。貴方こそがヒューマンが望んでいた存在」
「ジョーカーとして」
「いえ」
 だが青年は今の剣崎の言葉には首を横に振る。そして言った。
「全てを終わらせる者として」
「バトルファイトを」
「はい、確かに統制者もまたスサノオの分身の一つ」
「やっぱり」
 栞はそれを聞いて呟く。
「その力も圧倒的なものです。ですがそれを倒し全てを終わらせるのが」
「アンデッドになってしまった俺だと」
「そうなのです。統制者を倒せばモノリスはなくなります」
「そしてバトルファイトは終わる」
 剣崎はその言葉を聞いて呟く。
「全てが終わる」
「あのケルベロスは」
 ここで青年は言った。
「ケルベロス!?天王路か」
 剣崎達はその言葉に香を向ける。
「そうです。彼はそもそもはオルフェノク、エラスモテリウムオルフェノクだったのです」
「そうだったのか」
「ここでもオルフェノクが」
 乾達は青年の言葉を聞いて呟く。
 
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