新オズのリンキティンク
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第二幕その十一
「何時観ても恰好いいね」
「サードは藤村さんですね」
クッキーは背番号十の人を観て言いました。
「今日は」
「この前の試合は十六番でね」
「三宅さんでしたね」
「うん、それでだよ」
「今日は藤村さんの野球を観られますね」
「ミスタータイガースのね」
「相手チームも凄いね」
魔法使いは三塁側の緑と白のユニフォームの人達を観て言いました。
「杉浦さんと野村さんがいるよ」
「奇麗ーーですーーね」
チクタクはアンダースローで投げる杉浦差を観て唸りました、手はアンダースローにしては少し高くてサイド下のやや低い位です。
「投球ーーフォームーーが」
「そうだね、実にね」
「凄いーー人ーーです」
「何でもね」
魔法使いはチクタクにお話しました。
「あの人は一シーズンで三十八勝四敗の成績を残したそうだよ」
「三十八勝ーーですーーか!?」
「四敗しかしなくてね」
「凄いーーですーーね」
「そうだね、凄過ぎてね」
それでというのです。
「外の世界の日本ではレジェンドになっているよ」
「そうなのーーですーーね」
「うん、そして野村さんもね」
魔法使いやキャッチャーの人のお話もします。
「立派な野球選手だからね」
「実はこの街には野球チームが四つあるのじゃ」
リンキティンク王はアン王女に笑ってお話しました。
「それで四つ共じゃ」
「競い合ってるのね」
「そうじゃ」
まさにというのです。
「いつもな」
「試合でなのね」
「そうしておる、後の二つは濃紺と白のユニフォームでな」
「では最後の一つは?」
「赤と青、白の三色のユニフォームじゃ」
そうなっているというのです。
「どちらのチームも監督さんが凄いぞ」
「そんなになの」
「監督さんで一番凄いのはあのチームかもな」
リンキティンク王は三塁側の緑と白のユニフォームのチームを観てお話しました、そこに堂々たる風格の人がいて腕を組んでいます。
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