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仮面ライダー剣 悲しみが終わる場所

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第三章

「俺はその運命に立ち向かう。そして勝ってみせる」
「はい、運命の戦士達よ」
 青年の言葉が笑った。今剣崎は日本に戻るのだった。遂にその運命に勝つ為に。

 相川と上條は警察、それも警視庁に来ていた。そこでまずは何故か藤岡総監のところに通された。
「やあ、君達のことは聞いているよ」
「あの、僕達のことをですか」
 上條は総監室で驚きを隠せないまま総監に応えた。
「仮面ライダーなんだな。烏丸さんから聞いたんだよ」
「烏丸さんからですか」
「そうだ、君は仮面ライダーレンゲル」
 上條に対して言う。
「そして君は仮面ライダーカリスだったね」
「はい」
 上條は総監に返事を返した。
「その通りです」
「烏丸君は残念だが今ここにはいない。橘君が来ている」
「橘さんが」
「彼は警察に預けられているがね。今は烏丸さんと共に再建されたボードにいるんだ」
「そうだったんですか」
 上條はそれは知らなかった。ボードが再建されていたとは初耳だった。
「その橘さんは」
「俺はここにいる」
 総監室の後ろの扉が開いた。そこからスーツの橘が姿を現わした。
「橘さん」
「橘、元気そうだな」
 上條と相川はそれぞれ二人に声をかけた。橘はその二人に無言で頷いて応える。
「ああ、それで話とは」
「あの、あれなんですけれど」
「ここじゃあれだ」
 二人はバツの悪い顔を橘に見せてきた。それは総監にも見えている。総監はそんな二人を見てニヤリと笑ってきた。そのうえで述べる。
「君達の仕事がはじまったようだな」
「そのようです」
 橘は総監のその言葉に応えた。
「では総監、私は今から」
「うむ、頼むぞ」
「では行くか」
 橘は総監と話を終えると二人に声をかけてきた。
「いいな」
「わかった」
「それじゃあ」
 二人はそれに従う。そのまま会議室に入った。
 会議室は警視庁の中にある普通の会議室であった。そこで話をはじめる。
「ダークローチが出たんだな」
 三人はそれぞれ向かい合って座った。最初に口を開いたのは橘であった。
「知っていたのか」
「予想はしていた」
 橘はそう相川に答えた。
「それにこちらでも動きを掴んでいたしな」
「そうか」
「何でまた出たんでしょう」
 上條はそう橘に問うてきた。
「急に。まさか剣崎さんが」
「いや、あいつはいない」
 橘がそれに答えた。
「あいつはな。日本には今はいない」
「それじゃあどうして」
「わからない。始、御前ならわかるか」
「いや」
 相川も空しく首を横に振った。
「ダークローチは俺にも襲い掛かってきた。どうしてかはわからない」
「そうなのか」
「どうしてなんだ、一体」
 相川も何故かわかりかねていた。
「何故またダークローチが」
「ひょっとするとだ」
 橘は考えながら述べてきた。
「モノリスが戦うように言っているのか!?」
「剣崎さんと始さんにですか!?」
「そうだ。だとすればそのダークローチ達はモノリスからのものになる」
 彼はそう推理してきた。
「どうだ、それは」
「有り得るな」
 相川はその仮説に頷いてきた。
「俺の他にあの連中を出せるのはジョーカーである剣崎か」
「モノリスだけ、か」
 橘は腕を組んで呟く。
 
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