私の 辛かった気持ちもわかってよー
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
プロローグ
「いやぁー 離してーぇ やだぁー やめてよー」
両手を万歳させられた形で一人の男に押さえつけられて、顔を舐められて、もう一人には、ポロシャツを胸の上までたくし上げられて、スポーツブラをまさぐっていた。そして、もう一人の男には、テニスのスコートをまくられて、しばらく、あの部分を舐め回されていたけど、手を入れられアンダースパッツをずり下げ脱がされていた。
「やめてよー やだーぁ やだやだ!」と、私はありったけの声で叫んでいた。
「オイ! 口をふさげよ 外に聞こえるぞー」と、その男はズボンとパンツを一気に降ろして、「えへへっ がまんできんぞ へっ チト漏れちまったカナ」と私の最後のショーツに手を掛けて、脚を押さえつけて、お尻からずり降ろそうとしながら、その男が迫ってきた時
「いゃぁー おねがい やめてぇー」と、私が首を振りながら、声も枯れてきていたのだが
「あなた達 何やってんのよー! 警備員さん こっちです 早く」と、女の人が大声で叫んでいるようだった。
その時、男達は「ヤバイ!」と言って、その男も慌ててズボンをあげながら、その女の人を突き飛ばして走り去って行ったのだ。
「あいつ等 突き飛ばしていきやがってー 大丈夫?」と、両手を組んで震えている私にその人は声を掛けてきてくれた。
「ウン 大丈夫です」と、気を取り直して、足首にまで降ろされたショーツを穿き直そうとしていると
「駄目よ! そのまま穿くのよしたほうがいいわ」
私は、何のことかと、しばらくわからなかったのだけど
「ほらっ このスパッツにも どろーっとしたものが・・ そのぅ・・ 男のものが・・ ショーツにも付いていない?」
ようやく、なんなのか解った私は、足首からもショーツを抜き去っていた。
「ねぇ 穿き替え 持ってるの?」
私が黙ったまま頷くと
「じゃぁ 更衣室ね 私 付いてってあげるから・・」と、バッグを取りにいって、ジップジャケットを取り出して、私の腰に巻いて支えて更衣室まで付いてきてくれていた。
「あいつ等 最低だよね どこの学校かしら・・ 私ね 帰ろうとした時、見ちゃったのよ 男の子3人に連れられて倉庫のほうに行くのを なんか、嫌がってる風だったから・・ もっと 早く 声 掛ければ良かったね ごめんね」
「いえ ありがとうございました 私 怖くって、連れられた時 声を出せなかったんです」
「ねぇ 警察に行く? 行くんなら、私も行ってもいいわよ」
「いぇ あんまり 大げさにしたくない・・・から・・」じょーだんじゃぁない こんなことで、変なウワサになったりしたら、学校に行けないわ それに、私は、府下でも有数の高校を目指しているのよ 内申書に響いたりしたら・・・
私がシャワーを浴びて、着替え終わるのを待っていてくれて、何人かの人が入って来て、着替え始めたら、彼女も一安心したのか
「もう 大丈夫ね 私 行くね そうだ あなたの試合見てたわよ 負けちゃったけど、惜しかったわね 天神中学でしょう? そういえば、さっきも すれ違った女の子って同じ制服のような気がしたんだけどなぁー」と、言いながらその人は去って行った。
表に出ると、彼氏なのか・・楽し気に、何も無かったかのように二人で笑いながら歩いていくのが見えた。私は、あんまり 良い気がしてなかった。確か、あの人は高校の部で準優勝だった人。そして、あの制服は音羽女学院の制服。
私は3年生で、中学最後の試合と思って大会に臨んでいたけど決勝で負けてしまった。優勝出来ると思っていたので、ショックでしばらく動く気がしなくて、後の試合を呆然と見ていて、引率の先生とかクラブの連中は先に帰っていたのだ。そして、しょぼしょぼと更衣室に向かっていたのだけど、あの連中に取り囲まれて・・・嫌々してたのだけど声も出せなくて、裏手にある暗い用具倉庫に無理やり連れ込まれたのだった。
帰る道すがら、私は、どうして私がこんな目にあわなきゃーなんないのよ 私がぼーっとして歩いていたから? さっさと、みんなと帰れば良かった 負けたのは、私が実力が無かったからよ ずーっと真面目にテニスばっかりで、仲の良い男の子こそいるけれど、浮ついた関係じゃぁ無く、いい仲間なんだよ あの時、もし、やられてたら・・・私のこの先の人生は、そのことをずっーと背負って生きていくはめになっていたんだろうか だったら、あの人に救われたのはラッキーだったのかしら・・
ページ上へ戻る