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星河の覇皇

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第八十四部第一章 梟雄の復活その二十五

「借金で滅んだ国はありません」
「サハラ以外でも」
「人類の歴史上滅んだ国は多いですが」
「借金で苦しんだ国はあっても」
 このことは事実でもというのだ。
「しかしです」
「それでもですね」
「借金で滅んだ国はないことは事実ですし」
「ここは国債を発行しましょう」
「借金も財産のうちもといいます」
 この言葉も出て来た、この言葉はこの時代も存在していてそのうえで今もよく使われている言葉であるのだ。
「ならです」
「恐れることはありません」
「左様ですね」
「遠慮なく借金をしていきましょう」
「統一すればその後です」
「国家を発展させて返済する」
「返済に長い時間がかかろうとも」
 それでもというのだ。
「返済すればいいこと」
「別に苦しくて自殺ということはありません」
「しかも国債では利子はありません」
「元々イスラムでは少ないですが」
 これはコーランの考えだ、イスラムでは借金では利子は非常に少なくする様に定められているのだ。
「それもないので」
「それならですね」
「発行していきましょう」
「是非」
「しかも閣下は」
 シャイターンのことも話された。
「軍事費は増やしてもです」
「他の分野の予算も減らさない」
「それが閣下の政策です」
「国家の発展で予算を考え」
「そしてですね」 
 そのうえでというのだ。
「予算は足りない分は国債でした」
「それで補っておられました」
「それよりも政策の実現」
「それが大事だと言われて」
「その様にされていました」
「ならです」
「今閣下は前線におられますが」
 彼等はそう聞いている、シャイターンがインフルエンザで倒れたことは財務省の高官である彼等も知らないのだ。
「それでもですね」
「我々はですね」
「そのことを忘れず」
「そしてですね」
「軍事費も」
 それもどいうのだ。
「是非です」
「用意しましょう」
「借金によって」
「その年度ですべき政策を行うには借金もすべきである」
「閣下のお考えですし」
「それならば」
「我々も」
 こう話してだった、彼等はシャイターンの考えも受けてそうして戦費の調達に国債を発行することにした。
 そして経済産業省も話をしていた、その話はというと。
「配給制には至りませんね」
「それの導入には」
「物資は不足していません」
「民間の流通も深刻な支障は出ていません」
「ではですね」
「それではですね」
「このままで、ですね」
 通常の市場経済のままでというのだ。
「宜しいですね」
「そうですね、流石に配給制はです」
「この導入は最後の手段です」
「それこそ国家経済が深刻な事態に陥っている」
「戦争を最優先して」
 若しくはそうしないと国民生活が破綻する状態で導入されるものだ。 
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