ドリトル先生と桜島
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第二幕その一
第二幕 鹿児島に行く前に
先生が何時鹿児島に行ってどういった日程であるかもわかりました、後は鹿児島に行くだけでしたが。
王子は先生に研究室でお話を受けてこう言いました。
「それでどうして鹿児島まで行くのかな」
「移動手段だね」
「うん、鉄道か自動車か」
先生から出してもらったミルクティーを飲みつつ尋ねます。
「船か飛行機か」
「どれもあるね、それで今回はね」
「先生も飛行機に慣れてきたけれどね」
「そうだね、ただ今回は船でね」
こちらでというのです。
「行こうかなとね」
「思ってるんだ」
「うん、神戸からね」
「成程ね、船旅もいいね」
「そうだね。だからね」
「船旅を楽しんで」
「そうしながらだよ」
「鹿児島まで行くんだ」
「そう考えているんだね」
「どうかな」
先生もミルクティーを飲んでいます、そうしつつ研究室の大きなテーブルに一緒に座っている王子にお話しました。
「それで」
「いいんじゃないかな、ただ僕はね」
ここで王子は少し残念そうに言いました。
「今回日程が合わなくて」
「来られないんだね」
「残念なことにね」
実際に残念そうに答える王子でした。
「そうだよ」
「実はトミーもなんだ」
先生も残念そうに言いました。
「今回はね」
「忙しいんだね」
「それでだよ」
「残念だね、僕は公務があってね」
先生が鹿児島に行く間はです。
「それでなんだ」
「どうしてもだね」
「行けないんだ、そしてトミーもね」
「どうしてかな、忙しいって言うけれど」
「実習があってね」
「ああ、それでなんだ」
「行けないんだ」
そうだというのです。
「一緒にはね」
「じゃあ先生と生きものの皆でだね」
「行って来るよ」
今も一緒にいる皆を見つつ答えます。
「そうしてくるよ」
「それではね」
「うん、そういうことでね。お土産は買って来るから」
それはと答えた先生でした。
「楽しみにしていてね」
「鹿児島のだね」
「薩摩揚げやきびなご、かるかんをね」
「それはいいね、鹿児島も名物多いからね」
「そちらをね」
「楽しみにしているよ」
「そういうことでね」
「わかったよ、しかしね」
ここで王子はこうも言いました。
「僕やトミーだけでなくてね」
「日笠さんにもだよね」
「いつも言ってるけれど」
「今回もだね」
「ちゃんとお土産を買って」
そうしてというのです。
「手渡しするんだよ」
「そうしないと駄目だね」
「絶対にね、日笠さんが喜んでくれるからね」
「それはわかるけれど」
ここでこう言った先生でした。
「しかしね」
「しかし?」
「先生が気付いてくれたらね」
「何に気付くのかな」
「そう言うのが駄目なんだよ」
王子はミルクティーを飲みつつ呆れたお顔になりました。
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