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第七十九話 夏の終わりでその十二

「それでか」
「鳴海っちもね」
「それでかなもか」
「明男が持ってるから」
 弟がというのだ。
「私も実はね」
「読んで観てるのかよ」
「鳴海っちだから言うけれど」
「そうなんだな」
「だから雑誌でね」
 そうした漫画のというのだ。
「姉と弟ものがあったら」
「引くんだな」
「まさかと思って」
「明男はそんな奴じゃねえよ」
 鳴海は言い切った。
「俺もあいつとは長い付き合いだしな」
「鳴海っち明男とも幼馴染みだしね」
「最近もよく会って話すしな」
「そうなの」
「むしろ夏休みに入ってからはかなよりもな」
 かな恵に言うのだった。
「あいつと直接会ってるな」
「そうだったのね」
「学校に行く電車の中でな」
 そこでというのだ。
「よく一緒になってな」
「お話してるのね」
「ああ、それでな」
 その為にというのだ。
「あいつから聞いてるけど年上趣味自体がな」
「ないのね」
「同級生のどの娘がいいとかな」
「そうしたこと言ってるの」
「ついでに言うとロリもな」
 こちらの趣味もというのだ。
「ないからな」
「それはいいわね」
「ああ、流石に幼女ってな」
「法律的にもアウトだしね」
「それでな」
 鳴海は話を続けた。
「明男は同級生派だからな」
「安心しろよ、別にあいつの部屋でお前の写真とか下着とかなかっただろ」
「そんなのないわよ」
 かな恵ははっきりとした声で答えた。
「流石にね」
「そうだろ、あとお前あいつの部屋に」
「ああ、私は時々でお母さんがお掃除でね」
「入ってか」
「いつもチェックしてるのよ」
「お前の下着とかないかってな」
「流石にあったらね」
 そうであればというのだ。
「かなりね」
「やばいよな」
「けれどね」
 かな恵は鳴海に言った。
「そういうのはね」
「なかったんだな」
「今のところはね」
「じゃあいいだろ、そんな組み合わせは雑誌だったらな」
 そうした漫画のというのだ。
「普通にあるからな」
「そんなお話も」
「何でもありだからな」
 そうした雑誌はというのだ。
「それお前もわかるだろ」
「うん、もう何でもありよね」
 まさにとだ、かな恵も答えた。
「人妻さん出たり」
「リアルだと訴訟とか慰謝料になるけどな」
「人妻さんと不倫とかね」
「そうなるからな」
「漫画みたいにはいかないわね」
「そうだよ、それで他にもあるだろ」
 鳴海はかな恵にこうも言った。
「ファンタジーの世界でエルフとか天使とかな」
「悪魔も出るわね」
「サキュバスなんてな」
「結構出るわね」
「そうしたことなんてないからな」
 現実にはというのだ。 
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