スーパー戦隊総決戦
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プレリュードその一
スーパー戦隊総決戦
プレリュード
「全く、どうなってるんだよ」
「どうしたのよヤバイバ」
誰もいない暗闇の中で。ヤバイバとツエツエがあれこれ話をしていた。
「何かよ、俺達ってよ」
「私達が?」
「あの時ガオレンジャーとハリケンジャーに負けてからずっとここにいたままじゃねえか」
こんなことを言うヤバイバだった。
「そうじゃねえか?ツエツエよ」
「確かに」
それはツエツエも納得できることであった。ただし彼女の場合は。
「私は」
「何だよ、どうしたんだよ」
「あの時ガオレンジャーとハリケンジャーの連中に負けてここまで吹き飛ばされたわよね」
「ああ」
「その後だけれど」
そのことをヤバイバに話すのである。
「私一度またあの連中と戦ったことがあるのよ」
「あれっ、そうだったのかよ」
「あんたが寝ているうちにね」
その時にだというのだ。
「あの連中の前に呼ばれてそれでなのよ」
「そうだったのかよ。で、あのガオの連中か?」
「いえ、違ったわ」
彼等ではないというのである。
「何かボウケンジャーとか言っていたわ」
「ボウケンジャー?」
「そうよ。そんな連中だったわ」
こう話すのである。
「その連中が出て来てね」
「ああ。それでどうなったんだ?」
「また負けたわ」
このことはかなり残念そうに語る。
「残念だけれど」
「何だよ、負けたのかよ」
「思い出すだけでも忌々しい。こうなったら」
「それでどうするんだ?」
「あの連中にリベンジよ」
彼女が出した結論はこれであった。その両手に持っている杖がやたらと動いている。
「そうしてやるわよ」
「いいんじゃねえのか?それで」
ヤバイバもそれに賛成するのであった。
「じゃあ俺もだな」
「あんたも行くのね」
「当たり前だろ。俺と御前の仲じゃねえかよ」
こう言ってである。
「だからな。それでいいな」
「そうね。一人より二人ね」
「そういうことだよ。じゃあ行くぜ」
前に出ると自然に光の下に出た。これが二人の再出発であった。
そしてその頃。ダイノアースで相変わらず恐竜達に追いかけられているフラビージョとウンディーネは。いい加減それにも飽きて木の下に隠れながら話をしていた。
「何かさ、もうね」
「もう。どうかしたの?」
ウンディーネがフラビージョの言葉に問い返す。二人共その顔はあまり暗くはない。
「何か考えたの?」
「この世界から出ない?」
こんなことを言ってきたのである。
「もうここにいてもアバレブラックか恐竜達に追いかけられるだけじゃない」
「それもそうね。けれどここにいるのは私達だけじゃないかしら」
「それがどうかしたの?」
「それで出られるの?」
こう言うのである。
「私達だけで」
「何とかなるんじゃないの?」
ウンディーネに対するフラビージョの言葉は実に適当なものであった。
しかしである。こうした適当なことを言った彼女の前にだ。全身金色の慇懃な態度の男が姿を現してきたのである。それも急にだ。
「やあ、探しましたよ」
「誰、あんた」
フラビージョが彼に対して尋ねる。
「急に出て来たけれど」
「私の名前はロン」
彼は微笑みを絶やさずに名乗った。
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