そんな爺いるか
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第四章
「もうな」
「超人だな」
「ああ、描いてる漫画家さん若くてな」
それでというのだ。
「歳取ったらどうなるか」
「それがだな」
「わかってないな」
「そうだな」
小羽も言った。
「どう考えてもな」
「身体壊す場合もあるしな」
「歳を重ねるとな」
「糖尿病になったりな」
「脳梗塞とかもなったりな」
「内臓とかおかしくなるとな」
その場合はというと。
「一気にな」
「身体衰えるしな」
「癌とかになれば」
「助かってもな」
癌からというのだ。
「弱るしな、身体」
「定年まで身体が何もなかったとかな」
「それで迎えてからも何も何て」
「ないからな」
それこそというのだ。
「そうそうは」
「それで十代そのままで出来るとか」
「有り得るか」
「上原謙さんもびっくりだぞ」
最初に話に出たこの人もというのだ。
「そうなったら」
「全くだよ」
「人間老いるし身体も壊すんだ」
「それでずっととかな」
「ある筈がないな」
「本当にな」
二人で話した、そして。
小羽はあらためてだ、長倉に言った。
「むしろそんな元気があったらな」
「他の仕事したいな」
「家の仕事でもな、体力もなくて」
それでというのだ。
「やりたいことだってな」
「出来ないよな」
「せめてな」
長倉にこうも言った。
「五十代の頃位のな」
「体力があってな」
「身体もそうでな」
そしてというのだ。
「動けたら」
「いいな」
「ああ」
本当にというのだった。
「贅沢言わないけれどな」
「十代の頃とは言わないで」
「五十代位でな」
「いいな」
「まだ五十代の頃はな」
この頃はというのだ。
「本当にな」
「体力あったな」
「今よりずっとな」
「夜だってまだだったしな」
「十代の頃とは比べものにならなくてもな」
それでもというのだ。
「まだな」
「そうだったからな」
「子供と青年は違って」
「青年と中年は違って」
「中年と初老も違って」
「爺さんはな」
即ち今の自分達はというと。
「もうな」
「さっぱりだよな」
「そうなるからな」
「だからな」
「そんな、な」
「元気な爺さん教えてくれ」
「夜の方三回も四回もしかも毎日」
そこまで出来るというのだ。
「若い娘さんに手を出して」
「何をどうしたらそんなこと出来るか」
「不可能だろ」
どう考えてもというのだ。
「本当に」
「というかそんな美人さんもいるか」
「爺さんを元気にさせられる位の」
「果たしてな」
「どんな美人さんだ」
「いないだろ」
そうした人もというのだ。
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