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その小さな女の子のことが気になってしまったんだが、どう接していけばいいんだろう

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最終章-2

 地元の花火大会の日、見に行こうとなったが、ななのが二人でじっくりみたいと言うので、僕達は高台の公園から見ることにした。

「初めてやねー シュウと二人でここの花火見るのって」

「そうだった かもな」

 辺りには、他にも何組かが見に来ていた。すこし、離れるが全体を見られるし、混雑していないので落ち着いて見れるのだ。

 花火が終わった時、僕はななのをグラウンドのほうに連れて行って

「ななの 結婚してくれ 悲しむようなことはしない」

「えっ 前に言ってくれたのって、違ったん? 離れるな 僕にはななのが必要だって・・・私 そのつもりになってたヨ はっきりと 言ってくれたのはうれしいけど」

「いや 改めてナ」と、僕はななのを抱き寄せて、唇を合わせていった。

 そして、お盆休みの時、ななのんチに報告に行ったのだ。

「良かったわ この子 ずーと 北番さんのこと慕ってたから・・・ 3年生の時 もう会わないからって言って・・・夜になるといつも泣いていたのよー 辛かったのネ しばらく続いたわ  それからは大学行って、もっと頑張るって・・」

「お母さん そのことは・・話しちゃぁいゃだぁー もおぅ・・」

 秋になって、ななのを実家に連れて行った。結婚相手を連れて行くとだけしか、言って無かったのだけども、ななのとは、もう会ってないって言っていたし、かがみさんにはそのことでボロカスに言われていたから・・・。別に隠す気も無かったのだが、何となく言いそびれてしまっていたのだ。

 玄関を入ると、かがみさんが迎えてくれて

「えっ ななのちゃん! ななのちゃんでしょ? 髪の毛短いから・・ えっ 結婚相手ってぇー」と、僕の顔を見て奥に向かって「お義母さん」と叫びながら駆けて行った。玄関を上がったところで母が慌てた様子で出てきて、ななのの姿を見て、抱きしめながら

「ななのちゃん 元気だった? この子ったら・・なんにもしゃべらないもんだから・・ しばらく会ってないって・・・ やっぱり ななのちゃんだったのネ 良かったぁー」と、一気にしゃべっていた。

 落ち着いた後、改めて父と兄貴夫婦にも挨拶をしてたら、母が

「ななのちやん この子はネ はっきりしないところがあるから、ななのちゃんが傍に居てくれたら、安心よ お願いネ」と

「お義母さん 私 会わない間に、自分自身がやりがいのあるものみつけなきゃーと・・ シュウの負担になると思って・・ でも、今は、しっかりと付いていきます  出会って無ければ、今の私は居ないですから きっと 幸せにしてもらいますワ」と、言い切っていたのだ。

「ななのちゃんって・・ 秀君 宝物以上よ 大切にしなさいよネ」と、かがみさんが

「わかってるって」

「そーだよなぁー 若いし、可愛いし、気立ても良いし 最高だよなぁー」と、兄貴が口を挟んだら、かがみさんは兄貴の太腿をペシッとしていた。

 そして、来年の秋にと日取りを伝えて、帰ってきたのだ。 

 
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