| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

ドリトル先生と山椒魚

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第十二幕その七

「蛙もあるんだね」
「うん、今回は鰐のステーキもあるよ」
「鰐もだね」
「焼き鳥もあるし」
「鶉のグルルもあるね」
「鴨のロースもあるよ」
「そうだね、どれも美味しいね」
 笑顔で、です。先生は応えました。
「本当に」
「そうだね、そういえばだけれど」
 ここで王子は言いました。
「蛙も鰐も鶏肉に近いよね」
「その味はね」
「そうだよね」
「そうなんだ、両生類や爬虫類はね」
 こうした生きものはというのです。
「実は脂身が少ないし」
「味もだね」
「鶏肉に近くてね」
 そうした味でというのです。
「美味しいんだ」
「そうだよね」
「カロリーも少ないし栄養もあるから」
「いいんだね」
「食べるとね」
「そうだね、ただ蛙が鶏肉に近いなら」
 その味ならとです、王子は思いました。
「オオサンショウウオもね」
「うん、どうもね」
 先生は王子に応えて言います、大きなテーブルの上にある様々なお料理を見ながら王子にお話しています。
「美味しいらしいよ」
「そうなんだね」
「言われていることではね」
「意外だけれど」
「いや、両生類だからね」
 蛙と同じくというのです。
「その味はね」
「悪くないんだね」
「そうだよ」
「成程ね」
「けれど今はね」
 先生は真面目なお顔で言いました。
「天然記念物だから」
「ああ、食べられないね」
「そうだよ、食べた人はね」
「あくまで昔の人だね」
「そうなんだ」
 こう王子にお話しました。
「そのことはね」
「覚えておかないとね」
「やっぱり希少な生きものはね」
「食べたら駄目だね」
「乱獲になるから」
 だからだというのです。
「それは駄目だよ」
「法律で禁じられているしね」
「法律は守らないとね」
 先生はこうも言いました。
「若し法律を守らないのなら」
「ヤクザ屋さんになるね」
「そうだよ、国家なら」
「北朝鮮だね」
「ああなるよ」
「わかりやすいね」
 王子はここまで聞いて頷きました。
「それは」
「そうだね」
「うん、法律を守らないとどうなるか」
「ヤクザ屋さんか北朝鮮になるよ」
「どっちも酷いね」
「見ていてもそうだね」
「受ける印象は最悪で」 
 そしてというのです。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧