新オズのカボチャ頭のジャック
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第十二幕その十
「本当にね」
「そうなんだね」
「ええ、それとね」
「それと?」
「そろそろかしら」
ジャックに問う様に言ってきました。
「花火は」
「ああ、花火だね」
ジャックも言われて頷きました。
「そういえばね」
「まだだからね」
「そろそろはじまるかな」
「そうよね」
「ええ、そろそろよ」
オズマがジャック達のところに来て言ってきました。
「はじまるわ」
「そうなんだね」
「そう、だからね」
それでというのです。
「待っていましょう」
「そうだね」
「奇麗な花火がどんどん上がってくるわ」
オズマは笑顔のままでした。
「だからね」
「それでだね」
「今は待つのよ、待ちながらね」
「踊って楽しむんだね」
「そしてね」
そのうえでというのでした。
「食べられる人はね」
「食べるのもいいね」
「そうよ、飲むこともね」
それもというのです。
「楽しみながらね」
「待つんだね」
「そうしましょう」
「それじゃあね」
ジャックも頷きます、それでジャックは盆踊りの場所に戻りました。恵梨香達もかき氷を食べ終わるとでした。
盆踊りの場所に戻って踊ります、浴衣姿で皆手と足の動きを合わせて踊ります。そうして夜空にでした。
花火が上がりました、赤や青、黄色のお花が夜空に咲きます。それを見てです。
ジャックは踊りつつ言いました。
「遂に上がったね」
「ええ、これからね」
すぐ後ろにいるオズマが応えてきました。浴衣姿で上手に踊っています。
「どんどんよ」
「上がっていくね」
「そうなるわ」
「そうだね、また上がったね」
見れば夜空にです。
今度は二つの大輪が咲きます、そうして。
三つ四つ五つそして五月雨の様な花火も咲いてです。
休む間もなく咲いています、恵梨香もその花火達を観て言いました。
「凄いわ」
「そうだね」
ジャックは恵梨香にも応えました。
「次から次に上がってね」
「奇麗なお花を咲かせて」
「とてもいいね」
「そうね、これまでも楽しかったけれど」
「今もだね」
「最高よ」
こう言うのでした。
「本当に」
「僕もそう思うよ、楽しいお仕事が完成したら」
「そのお祝いにね」
「この盆踊りと花火なんてね」
それはというのです。
「本当にだよ」
「素敵だわ」
「全くだよ、それじゃあね」
「ええ、踊ってね」
恵梨香は実際に踊りつつ言います。
「そして飲んで食べて」
「花火を観てだね」
「心からね」
そのうえでというのです。
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