神々の塔
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第十八話 文化的英雄その九
「そうさせてもらいます」
「是非共」
「昨晩のスペアリブ美味しかったです」
「ステーキも」
「それは何よりです、実はどちらもです」
スペアリブもステーキもというのだ。
「うちの弟、シェフの得意料理で」
「そうなんですか」
「美味いと思ったら」
「そやったんですか」
「このお店の得意料理やったんですか」
「はい、そう言ってもらえますと」
親父は笑って話した。
「弟も喜びます」
「いや、ほんま美味しくて」
「よかったです」
羅と施はまた言った。
「そやから機会があれば」
「またいただきます」
「お酒も美味かったですし」
「ワインも」
「あのワインですが」
親父はワインの話もした。
「実はこちらの神霊の方々もお好きでして」
「そうなんですか、美味いと思ったら」
中里が応えた。
「そうしたワインでしたか」
「そうです、アメリカの偉人の神霊の方々も」
「お好きで」
「よく飲まれています」
「そうですか」
「尚ベーブ=ルース様はビールがお好きで」
「ああ、現役時代から」
「それとステーキにアイスクリームもです」
こういった食べものもというのだ。
「目がないと言っていいまでにです」
「そうなんですね」
「それでよくです」
この三つをというのだ。
「楽しまれています」
「それは起きた世界でも同じやったんですよね」
「そうなのですか」
「はい、現役時代からって言いましたけど」
中里は彼のその頃から話した。
「子供が大好きで」
「そのことも同じですね」
「それで、です」
それと共にというのだ。
「その三つもです」
「楽しんでますか」
「今も」
「神霊になっても」
「そうです」
こう中里に話した。
「純真で飾りっ気もなく」
「邪気のない方ですか」
「そうなのです」
「性格は変わりませんか」
「起きた世界と」
「成程、そういえば」
ここで中里はこんなことを言った。
「ベーブ=ルースって人間やと白人やが」
「元々ドイツ系や」
リーが応えた。
「あの人はな」
「やっぱり白人やな」
「家は居酒屋でな」
両親が経営していた。
「ビールを売ってたんや」
「それでビールが好きやったのかもな」
「そうかもな、それがどないした」
「いや、色黒で顔立ちもな」
「黒人に見えるか」
「どうもな」
「それ言われてたらしいな」
リーはフォークとナイフを使ってステーキを食べつつ応えた、その上にあるのはバターで肉の熱で溶けている。
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