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水は全てを清める

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第一章

                水は全てを清める
 ツアーのインド旅行に行く際だ、大学生の石川恭太郎金髪にした癖のあるショートヘアで垂れた切れ長の二重の目と優しい感じの口元を持つ面長で一七一位の痩せた身体の彼は従姉の梨沙子に言った。梨沙子は赤髪にウェーブをかけて腰まで伸ばしている。気の強い感じの切れ長の二重の目で眉は細く長い。気の強そうな紅の唇で一六六位のすらりとしたスタイルの持ち主だ。
「インドはかなり独特な国らしいからね」
「そこに注意だね」
「もう別世界みたいだって聞いてるわ」
 日本から見てというのだ。
「もう何もかもがね」
「僕も調べれな調べる程だよ」
 恭太郎もこう答えた。
「そうね」
「思えるでしょ」
「世界で一番不思議な国かもね」
 インドはというのだ。
「本当に」
「そうよ、だからそのことを頭に入れて」
「インドに行くべきだね」
「そうして楽しんできてね、日本どころか世界の常識も超越した」
「インド映画みたいな」
「そんな独特の国だから」
 それでというのだ。
「そのことを頭に入れてね」
「行って楽しむことだね」
「あの国についてはね」
「全くだね、じゃあ行って来るよ」
 こう話してだった。
 恭太郎はインドに行った、すると調べて得た知識以上に日本とは何もかもが違っていた。それでだった。
 彼は驚いてばかりだった、その中で。
 ヒンズー教の聖地ベナレスのガンジス川流域に来た、そこで初老の男性のガイドは恭太郎を含めた他のツアーの参加者達に言った。
「この川に入って全てを清めることがです」
「ヒンズー教徒にとって素晴らしいことですね」
「これ以上はないまでの」
「そうなのですね」
「はい、ですがそうされることはご自由です」
 ガイドは彼等に笑顔で話した。
「そのことは」
「ええと、確かです」 
 恭太郎はそのガイドに言った。
「ヒンズー教では水は神聖なもので」
「全てを洗い清めるものです」
「そうですよね」
「ですからここではガンジス川で、です」 
 インドを流れるこの大河でというのだ。
「身体を清めるのです」
「そうですよね、ただ」 
 恭太郎はその川を見た、他の客達もそうしているがそのうえでガイドに言った。 
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