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博士の挑戦状

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第四十二話

                 第四十二話  すっきりした顔で
 博士は生体実験を行い終えてから夕食の場に出て来て夕食のカツ丼を食べながら小田切君に話した。
「五人共ゆっくりと手足を切り落としてからな」
「その時点で極悪ですね」
「うむ、それから目と耳に濃硫酸を注ぎ込んでみた」
「そうしてですか」
「その時の苦しみがどんなものかな」
 それがというのだ。
「見たくてな」
「それで、ですか」
「うむ、まずは一人そうして殺してな」
 そしてというのだ。
「その後も色々な劇薬をな」
「手足を切り落としたゴロツキ達の耳や目にですか」
「注ぎ込んだり歯を引き抜いたりな」
「そうしたことをしてですか」
「それでどれだけ苦しむか」
「それを見て」
「そしてな」
 そのうえでというのだ。
「色々楽しんでおった」
「そうですか」
「五人共苦しみ抜いてな」
 博士はカツ丼を食べつつ小田切君に話した。
「死んだぞ」
「完全なサイコ殺人だよな」
「そうだね」 
 ライゾウとタロはそれぞれキャットフードとドッグフードを食べながらそのうえで博士の言葉に頷いた。
「五人も惨殺するとか」
「それも手足きり落としてからゆっくりなんてな」
「もうね」
「いつものことだけれどな」
「サイコ殺人だね」
「まさにマッドサイエンティストだな」
「うむ、わしはマッドサイエンティストじゃ」
 博士は二匹の言葉に笑顔で応えた。
「だから気の向くままにじゃ」
「そうしてだよな」
「いつもその辺りの小悪党殺すんだね」
「そうじゃ、それでじゃ」
 博士は笑顔で話した。
「今日も満足した、明日は明日でな」
「何かしてか」
「楽しむんだね」
「そうする」
 やはり平然と言う、そしてだった。
 博士は小田切君にあらためて言った、その言った言葉はというと。
「このカツ丼のカツは何処のカツを使っておる」
「商店街のお肉屋さんのですよ」
 小田切君はお味噌汁を飲んでから答えた。
「いつもの」
「そうか、美味いのう」
 もう考えはそちらに向かっていた、もう殺人のことは関心の外になっていた。それで博士は満足してカツ丼を食べたのだった。


第四十二話   完


                2023・3・3 
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