神々の塔
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第十八話 文化的英雄その二
「私は角が生えているね」
「頭の天辺に一本」
中里も自分が見たままの姿をエジソン自身に話した。
「あります、赤い顔で」
「まさに鬼だね」
「そうです」
「そうなのだよ、この世界で神霊は」
「それぞれの種族にですか」
「見えるもので例えば肖像画や象を造っても」
それでもというのだ。
「そう見えるのだよ」
「そのことはこれまで」
「意識しなかったね」
「はい、僕にはこう見えると」
その様にというのだ。
「思ってそれで、です」
「終わりだったね、しかしこのこともだよ」
エジソンは笑ってさらに話した。
「この世界の特徴でそこからどう考えるのかも」
「大事ですか」
「そうなのだよ、何故そうなるか」
「そう考えたりすることもまた」
「発明には大事でね、私は子供の頃そんなことばかり考えて」
そうしてというのだ。
「学校の先生達を困らせたよ」
「それ有名なお話やな」
羅はドワーフジャイアントの外見になっていて髭はないが全体的に毛深くがっしりした体格に彼には見えるエジソンを見つつ言った。
「エジソンさんの電気では」
「そうだね、それでだよ」
「何故種族によって見える姿がちゃうか」
「それが肖像画や像でも」
「そう見えるのがどうしてかを考える」
「それも大事ですか」
「そうなのだよ」
羅にも笑顔で話したのだった。
「これが」
「そうですか」
「そして」
エジソンは話を続けた。
「これは何故かというと」
「神霊とは霊的要素が多い」
このことを指摘したのはメルヴィルだった、彼が見るエジソンはすらりとしていてやや面長で耳が尖っている。
「それ故に」
「そしてこの世界では神霊を強く感じられるからね」
「例え誰かが描いた肖像画でも」
「描いた人がサイクロプスでも」
エジソンは例えとして出した。
「そして我々をサイクロプスの姿で描いても」
「サイクロプスにはならない」
「左様」
まさにというのだ。
「そこが違うのだよ」
「そうですか」
「神霊は霊的要素が大きく」
「そしてこの世界では力が強く及ぶので」
「見る種族によって姿が違うのだよ」
「そうでしたか」
「そして発明家も戦うことがある」
エジソンはこちらの話もした。
「スポーツ選手もまた」
「そういうことですか」
「そうだよ、ではいいかな」
「最初は俺だ」
細面で険しい顔の野球選手のユニフォームの男が出て来た。
「いいな」
「タイ=カップかいな」
トウェインはその彼の姿を見て言った。
「四千本安打の」
「そうさ、こっちの世界でも色々言われてるな」
「最高の野球技術を持っていて」
トウェインはこのことを言った。
「そして同時に」
「最悪の人格だってな」
タイ=カップはこのことは自分から笑って言った。
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