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イベリス

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第九十九話 お盆が終わりその六

「その分ね」
「磨かれていくんですか」
「ええ、人はね」
「だから私もですか」
「最近ね、高校入ってからそうで」
 それでというのだ。
「それが出て来たのよ」
「磨かれてきていることが」
「多分その経験や知識の中で」
 そこでというのだ。
「お化粧もね」
「してます」
「それもどんどんね」
「よくなってきてますか」
「お化粧も」
 これもというのだ。
「やっていればね」
「上手になるんですか」
「そうなるから」
 だからだというのだ。
「それでよ」
「奇麗になっていますか」
「お化粧は魔法よ」
 先輩は咲に笑って話した。
「上手だと凄くね」
「奇麗になれますか」
「そうよ、うっすらとしても」
「凄くですか」
「奇麗になれるのよ」
「そうしたものですか」
「だからね」
 それでというのだ。
「お化粧も慣れてきて」
「経験や知識で磨かれてきていて」
「それでね」
 そうなってきていてというのだ。
「どんどんね」
「私も奇麗になっていますか」
「そうよ、咲ちゃんこれからね」
 どんどんというのだ。
「そうして人生の経験や知識をね」
「備えていって」
「お化粧それにファッションもね」
「上手にしていくことですね」
「そうしていけばどんどんね」
 こう言うのだった。
「奇麗によ」
「なれますか」
「そうよ」 
 笑顔での言葉だった。
「実際にね」
「だからですか」
「いい方向にね」
 そちらにというのだ。
「人生の経験や知識をね」
「備えていって」
「そしてね」
 そのうえでというのだ。
「奇麗になっていってね」
「お化粧とかファッションも磨いて」
「それでよ」
「それじゃあ」
「色々勉強してね」
 今話したことをとだ、先輩は咲に笑顔で話した、咲にとっては奇麗と言われたので心地好い話であった。
 それで機嫌よくアルバイトをしてだった。
 帰路につき山手線に乗るとだった。
 酔った若い兄ちゃん達が咲を見て言っているのを聞いた。
「あの女子高生何かな」
「ああ、メイクとかダサいな」
「制服の着こなしもな」
「もっといい様にしろよ」
「地味だよな」
「如何にも真面目ですって感じで」
「それで背伸びしてるってな」 
 三人いるが三人共赤い顔で扉のところに立って話していた、見ればファッションも年齢も大学生かフリーターといった風だ。 
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