X ーthe another storyー
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第十七話 禁句その七
「話さないでくれ」
「聞くこともだな」
「そうしてくれ」
「小鳥が傷付くことは絶対にしない」
これが神威の返事だった。
「それならな」
「それならな」
「そうする」
「お前がそう言うなら心配しない」
封真は微笑んで答えた。
「俺もな」
「そう言ってくれるか」
「ああ、それならな」
「小鳥にはな」
「そうする」
「私達も約束するわ」
嵐も言ってきた、ここでは天の龍を代表して。
「何があってもね」
「小鳥にはだな」
「剣のことを聞かないし」
「言うこともだな」
「しないわ」
「悪いな、正直ほっとしている」
封真はまた微笑んで話した。
「天の龍がどの人も信頼出来る人でな」
「そう言ってくれるのね」
「そう感じているからな」
実際にというのだ。
「よかった」
「そうね、ただね」
「ただ?どうしたんだ」
「地の龍も」
「貴方達から見て敵のか」
「あの人達も悪い人達ではないわ」
嵐は自らこのことを話した。
「決して」
「そうなんやな、これが」
空汰は嵐に顔を向けて応えた。
「どんなんかと思ったら」
「そうなのよね」
「会って話したらな」
「悪い人達ではないわ」
「どの人もな」
「実は俺も会ったが」
封真も話した。
「確かにな」
「ああ、あの人等と会ったんか」
「部活の試合の後でな」
「そやったんか」
「全くだ」
「悪い印象はなかったな」
「そうだった、嘘も言わない様な」
そうしたというのだ。
「悪いものはな」
「感じんかったんやな」
「そうだった」
「そやねんな、悪人かっていうとな」
「地の龍の人達もな」
「ちゃうんや」
これがというのだ。
「決してな」
「その通りだな」
「そこがややこしいわ」
空汰はどうにもという顔で述べた。
「相手が決してな」
「悪人ではない」
「そのことがな」
どうにもと言うのだった。
「難しいところや」
「世の中、人間とはそういうものか」
「やろな、悪人でなくてもな」
「立場が違いな」
「それによってな」
「互いに戦うことになる」
「そういうことやな、ひょっとしたら」
神威を見てだ、空汰は心配そうに言った。
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