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神々の塔

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第十七話 十二神将その十一

「うちは」
「身体には気をつけてな」 
 中里はこのことは忠告した。
「飲むのもええけどな」
「お酒は飲み過ぎると毒になるさかい」
「適量やったらお薬でな」
「そうなってな」
「ほんま飲み過ぎたら」
「毒になるわ」
「そや」 
 こう綾乃に話した。
「ほんまな」
「そんな危ないもんでもあるわ」
「そやからな」
 それだけにというのだ。
「綾乃ちゃんもや」
「気をつけんとあかんわ」
「さもないとな」
「身体壊すわ」
「起きた世界でもそうやし」
「こっちの世界でもやね」
「肝臓にも悪いし」
 中里は酒が過ぎるとまず問題が出る部分の話をした、種族が違えど身体の構造は人はほぼ同じであるからだ。
「このお酒、日本酒は糖分が多い」
「特に濁酒はやね」
「それで糖尿病にもなりかねん」
「そっちの心配もあるね」
「ああ、脳にも悪いしな」
「脳卒中とか脳梗塞の原因にもなるわ」
「それがお酒や」
 その毒だというのだ。
「上杉謙信さんを見てもな」
「あの人もお酒飲み過ぎてやったし」
「贅沢はせん人やったが」
 その暮らしは兎角質素であった、精悍なこの人らしかったと言うべきか。
「お酒は大好きで」
「毎晩よおさん飲んでて」
「それでや」
「お亡くなりになってるし」
「お酒は危険なものでもある」
「そのことも理解せんと」
 さもないと、というのだ。
「あかんわ」
「頭に入れて節制もする」
「そうしていかんとな」
「そやね、飲まん日もないと」
 綾乃は具体的な対策を述べた、上杉謙信は毎晩それこそ陣中においても酒を欠かさず飲んでいたことも思い出してだ。
「あかんわ」
「幸い綾乃ちゃん飲まん日も多いし」
「ええんやね」
「これからもそうした日ももうけんとな」
「あかんね」
「ああ、ほんまな」
 綾乃に真面目な顔で話した、そうしてだった。
 今は十二神将達との戦に勝ったことを祝っていた、そうして飲むのだった。


第十七話   完


                    2023・3・8 
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